今年も8月9日から10日の日程で、東北復興スタディツアーを行いました。中2~高2までの希望者10名が参加しました。このツアーは、企画の段階から生徒が主体となってスケジュールを組み、校内の参加者を募っています。

1日目は陸前高田市を語り部の方とバスで回り震災遺稿や街の様子を見学しました。その後、広田町で3班に分かれて民泊を行いました。2日目は、気仙沼を中心に活動する団体の方にお越しいただき、お話を伺い、意見交換をしながらお昼ご飯をいただきました。その後、ワークショップを行い、今回経験して印象に残った事を、どのようにして伝えるかを全員で発表しました。

 

以下は、参加した生徒のレポートです。

 

「各班に分かれて行った民泊。私の班は5人家族の家庭に伺いました。井戸から引っ張ってきたスイカを食べたり、みんなで夕食の準備のお手伝いをしたり、楽しくお話をしました。

夕食を終えると震災のお話をしてくださいました。地震が起きたときは家にいた人、仕事場にいた人がいたこと。棚から物が崩れ落ちてきたこと。津波警報を受けて、すぐに避難したこと。家の前まで津波が押し寄せてきたこと。どれも体験した生の声でした。お父さんの同僚の中に高台にいたにも関わらず、「家に残った家族が心配だから」と家に戻り津波に飲み込まれ亡くなった人がいることを聞きました。「震災が起こったら家族を信頼し自分の身を守ることの大切さ」を教えていただきました。「助けて!」という悲鳴が聞こえてもそこに向かえることが出来なかった人がいること。「もし自分が助けに行ったら死人が増えてしまうだけ」このような判断しかできなかった現実。とても辛く苦い話であるけれど、私たちに伝えようと話してくれたお父さんやお母さんの思いを私たちが無駄にはできない、他の人に伝えていくべきだ、そう強く思いました。

 

二日目には陸前高田市や気仙沼市で活動している三つの団体、4名の方から講演をしていただきました。

それぞれの土地の魅力を外部の人はもちろん、そこで生まれ育った人にも伝えるために活動をしていました。大学生の方は大学を休学しインターンを行っていました。また震災直後に被災地に出向きボランティア活動を行い、今では移住されている方もいます。彼らの願いはその土地で育った子供が将来戻ってきてほしい、外部の人が移住してきてほしい、その土地に住む人々が積極的に復興への道を一緒に歩んでほしいというもの。震災前に“戻す”のではなく“新しく魅力的な町をつくる”全員がそのような思いを持っていると感じました。

 

私たちが今回も足を運んだ広田町はとても愛されている場所であり、町の方々の温かさを肌で感じることができました。私は今回3回目の参加でしたが、さらに広田町が好きになりました。今回も行かなくては分からない貴重な体験となりました。」

 

IMGP2429IMGP2451IMGP2484IMGP2540IMGP2535

ページ
TOP