今年で4年目になる東北復興ボランティア。

1年目に東北震災ボランティアとしてスタートし、昨年から現地のNPOと連携し、生徒自身が企画して「東北復興STUDYツアー」と名前を変えて実施しています。

 

今年8月17日、18日に行いました東北復興STUDYツアーについて
参加した5名の生徒により、ツアーの流れ・民泊・ワークショップの報告をいたします。

 

☆高2生 Iさん
〈ツアーの流れ〉

岩手県陸前高田市に到着し、まず始めに道の駅などの震災遺構を見学しました。次にベルトコンベアツアーに参加しました。そして広田町での民白体験をし、各家庭で夕飯をいただきました。

2日目も民泊先の家庭で様々な体験をさせていただきました。最後に、講演会・ワークショップなどのチェンジメーカープログラムを行い、今回のツアーで得た学び、自分に出来ることなどを話し合いました。

 

〈ベルトコンベアツアー〉

復興支援といったら食べ物の供給、がれきの撤去など直接的な方法しか頭に浮かびませんでしたが、ベルトコンベアツアーに参加してこのような支援の方法もあったのかと驚きました。ベルトコンベアを目にしたときあまりにも高く、大きく、そしてとても長かったので思わず圧倒され、何に使うのか分かりませんでした。

震災の影響をうけ、市民が高台に移住できるようにするために山を削って出た土砂を低地に運び出す。それがベルトコンベアの役割です。9年もの時間がかかる作業をベルトコンベアを建設したことにより2年半で終えられ、また、町を走るトラックの台数を減らすこともできているそうです。

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☆高1 Yさん

一日目の夕方からは五つの班に分かれて民泊を行いました。民泊は今年からの実施でとても楽しみにしていました。

私の泊まったお宅は村上さんという方のお宅で、おじいとおばあ、おじいのお父さんとお母さんの四人で住んでいらっしゃってわかめの養殖のお仕事をなさっていました。おじいとおばあはとても明るい方々で緊張している私たちに優しく声をかけてくださいました。

荷物を置いたらすぐにシシトウの収穫のお手伝いをしました。同じ班のひとたちとたくさん収穫しました。

収穫が終わるとおじいから「近くに温泉あるから行くか!」と言われ、温泉に行きました。お風呂あがりに飲んだイチゴ・オレがおいしかったです。

夕食は収穫したシシトウがたくさん料理に使われており、どの料理もとてもおいしかったです。夕食中におじいから震災当時・震災後の時のことをお話を聞きました。震災当時、このお宅は少し高いところにあったので津波被害には遭わなかったそうです。そこで高台に避難してきた方々にお風呂を貸したところ、初めの方はありがとうと言ってくれる人も多く嬉しかったけど、一週間もするとありがとうと言ってくれる人は一人もいなかったとおっしゃっていました。私はそれを聞いて悲しくなりました。また、震災後は津波被害の有無で無意識に格差が生まれ、震災以前のような地元の絆が薄くなっているということも聞きました。メディアでの被災地の現状は「地元の皆さんが協力して」ということを耳にしたのに、陸前高田市広田町では大きく違っており地元の絆はそう簡単には戻らないほど年月が過ぎてしまったのだと痛感させられました。

夕食後は震災の日に高台から撮った津波の映像を見させていただきました。それはやはり衝撃的で当時小学五年生で東京にいた私がテレビを見て感じた「同じ日本でおきていることだとは思えない、思いたくない。」という気持ちや地震の恐怖を身をもって感じた時の思いがよみがえりました。その映像には避難してきた方々の絶望した声や泣いている人の声が入っていました。その声を聞き、涙があふれそうになりました。その映像は今後津波で命を落とす人がいなくなることを祈って後世に残していくそうです。

次の日は朝から野菜の苗植えをして、トマトの収穫をお手伝いしました。その日は雨の予報でしたが晴れて暑かったので収穫が終わった後、近くの海に行きました。とてもきれいで水が冷たくて気持ちよかったです。

帰る前におばあからせっかくうちに来たんだからとお土産にたくさんのわかめとトマトをいただきました。自宅に帰ってからいただきましたがとてもおいしかったです。

民泊ではおじいとおばあの家に行かなければできない経験をさせていただきました。

 

☆高2 Hさん

初の民泊!
民泊先では本当に家族のように接してくださいました。私たちは食事や掃除、各家庭の農業や漁業のお手伝いをして過ごしました。

家族の方からは、震災当時の生活や仕事がどう変わってしまったのかなど教えていただきました。震災が起こってからは約1か月のも間電気が止まってしまったり、水も満足に得られなかったりと、都会に暮らす私たちにとっては考えられないお話でした。改めて自分たちの今の暮らしに感謝すべきだと思いました。

海では、漁業を盛んに行っていました。そして防波堤やブロックなど津波に対する対策はしっかりとされていました。海を見るとあの恐ろしい津波が来たと考えるのが難しいほどきれいな青色でした。

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☆中3 Eさん

〇ワークショップについて〇

ワークシヨップではグループごとに今回のツアーについての話し合いをしました。最初に印象に残った事やツアーで学んだ事・感じた事をグループ内で発表しました。民泊先の方のお話が心に残った人もいれば、ベルトコンベアのツアーが印象的だったという人もいました。二日間という短い時間の中でもそれぞれ印象に残った事や感じた事は違うのだと分かり、面白かったです。次に今回のツアーのことを他の人達にどう伝えていくかをグループで考えました。同じような意見をグループ分けして模造紙にまとめてみると「SNS」や「話す」「紙で掲示」するといった意見が多かったです。少数意見では「冊子やDVDなど形にして残す」「実際に来てもらう」といった意見がありました。同じように見える意見でも少しずつ違うところがあって、それを探すのが楽しかったです。その後、家に帰ってからどんな行動をするか考えました。「ツアーの内容を忘れないように書き留めておく」「家族を集めて話す」といった具体的な例をあげている人が多くて、本当に実行できそうだなと思いました。そして最後にまとめたものを一人ずつ全員の前で発表しました。私はプリントを読みながら発表したのですが、読まずに発表している人も多くてすごいなと思いました。学年関係なく交流したり、色んな人の意見を聞く事ができて貴重な体験になりました。

 

☆中3 Iさん

ワークショップでは、自分が得た学びを他の人にどのようにして伝えるかということを話し合いました。ただツアーに参加しただけで終わらせるのではなくて、こうして自分がこれからするべきことを整理し、より深く考えていくことで実行しやすくなると思います。また、参加したみんなの意見を聞くことで「なるほど」とさらに考えを深めることができました。正解は無い。あるのは意見の違いだけ。NPO法人の三井さんの言葉が響きました。それぞれが自分にできることをしっかりやるということが大事だと感じました。後日集まってレポートを書くということだったので、文字を紙に書いて掲示するという形でツアーに参加しなかった人たちにしっかり伝えます。これが実行できれば、「伝える」という一歩を踏み出せるのではないでしょうか。

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