7月12日(木)に第1回サイエンス達人ライヴが行われました。記念すべき初回にお招きしたサイエンス達人は、超音波工学のスペシャリストである石河睦生先生です。

石河先生は、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士後期課程修了後、研究員として活躍され、高周波超音波治療を実現する超音波トランスデューサーの開発や、圧電結晶膜の研究など、数多くの功績を残されています。現在は母校である桐蔭横浜大学医用工学部臨床工学科にて専任講師を勤め、日々最先端医療機器のスペシャリストの育成に力を入れると同時に、自らの研究・開発に打ち込んでいます。

今回の講演では、自作のパラメトリックスピーカー等を携えて、音波の利用に関するデモンストレーションを行って頂きました。

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上の写真で石河先生が持っているものがパラメトリックスピーカーという特殊な音源です。

石河先生のiPhoneをこのスピーカーにつなぎ、音楽を流し、スピーカーを色々な方向に向けると・・・
なんと!石川先生の向けた方向の人にだけ音楽が聞こえてくるのです!まるで室内をアーティストが瞬間移動しているかのようでした。
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この現象は、通常、人の耳には聞こえない超音波に特殊な作用をすることで、周囲への広がりが少ない可聴音を作り出しているそうです。特定の狭い範囲にいる人に選択的に音を流すことができるので、美術館や水族館での展示品のガイドとしての導入が期待されています。
この技術は医療分野にも応用されています。血管内超音波内視鏡といって、近年では、カテーテル検査に超音波技術が利用されており、石河先生は、生徒たちの目の前で、この血管内超音波内視鏡を見せながら、仕組みを丁寧に説明してくださいました。最先端の医療機器に生徒は興味津々です。
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サイエンスのスペシャリストとして、石河先生は、生徒たちに「知的冒険心を忘れないで欲しい」と強調していました。

中高時代ほとんど勉強をしたことが無かったと語った石河先生でしたが、大学時代に始めた研究をきっかけに、サイエンスのおもしろさに気づき、サイエンスの世界に没頭し、そこからはひたすらに勉強をしたとおっしゃっていました。人間いつかは必ず勉強しなければいけないときが来る。そのときは、自分の好きなこと、やりたいことについて自由に、そしてハングリー精神をもって学んで欲しいと石河先生は生徒に語っていました。ライヴ後の生徒たちの感想文でも、この言葉は多くの生徒の胸に響いていました。
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