6月のMEISEIアカデミック・ラボは、『泥水を化学的に処理してみよう』と題し、これからの時期に何かと触れる機会の多い「水」について学んでみました。今回の実験では、実際に浄水場でも行われている化学的な処理を、実験室で再現したものを行いました。
泥水中の泥は、大きい粒子はやがて沈殿していきますが、細かい粒子のものは沈殿せずに「コロイド」として水中を漂います。この粒子は、細かすぎてろ過で取りきれない場合があります。そこで、アンモニア水で塩基性にした後、ミョウバン水溶液を加えていくと、泥のコロイドとミョウバンがくっついて大きなかたまりとなり、沈殿していくので取り除きやすくなります。この現象を『凝集』といい、これを利用した方法を「凝集沈殿法」といいます。
しかし、粒子は取り除けても、泥臭い臭いは残ってしまいます。そこで、「炭」の登場です。炭には、表面に微細な穴が無数に開いていて、そこに様々なものを吸着することができます。今回は、割り箸から炭を作り、その炭を使って吸着作用を見てみました。メチレンブルーに自作の炭を入れてかき混ぜると、水溶液の色が見る見る薄くなっていきました。これは、炭が色を吸着しているからです。なので、同様に先ほどの「凝集沈殿法」できれいになった泥水の上澄みに炭を入れると、泥くらい臭いを吸着し、無臭のきれいな水にしてくれました。
我々が使う水・そして使った水は、この様な操作を経てきれいになっているのです。水のありがたさを考え、環境を意識してこの夏をすごして欲しいと願う実験でした。写真2 IMG_0878 写真7

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