Mar_22_2017

今日は写真部の活動の紹介です。写真部では個々数年、春休みにモノクロフィルムの現像と引き伸ばしを行っています。デジタルカメラの世の中ですが、写真の原点は銀塩カメラ(=フィルムカメラ)です。

「銀塩写真は、写真を2つに大別したときデジタル写真の対立概念となるものを総称するレトロニム(旧来からある「もの」や「概念」が、新たに誕生した同種の区別されるべきものの登場により、 区別されるために用いられる「新たな表現や用語」のこと)である。画像の記録媒体がフィルム(あるいは乾板)であり、銀塩(ハロゲン化銀)を感光剤に使用していることに由来する。写真を焼き付けされた印画紙、印刷物にしたものも指す。フィルム写真、あるいはデジタル写真の対義語として単純に、アナログ写真とも呼ぶ。銀塩写真用のカメラをフィルムカメラ、あるいは銀塩カメラと称し、銀塩と略す。(Wikipedia「銀塩写真」より)」

この時代でも、全国の高校の写真部では暗室の中で銀塩写真の現像・焼きつけを行っているところがかなりあります。本校の写真部も自前の暗室を部室の中に持っているので、有効に使っているわけです。フィルムを現像するまでどんな絵が撮れたかわからない上、フィルムは購入しなければならず、撮れる枚数が限られているので無駄に使うわけにはいきまぜん。そこで1枚1枚大事に考えながら撮ることになります。また、大切に撮影するとき失敗しないようにカメラの設定を行うようになり、腕も上がっていく効果もあります。ただ、フィルムカメラを持っている生徒は今ではほぼ皆無。部員たちは顧問が趣味で集めたマニアックなカメラで試験休み中に撮影して当日そのフィルムを持ってきて現像作業を行ったのです。

作業は2日に分けて行いました。1日目は春期講習最終日。フィルムを薬品につけて現像をする作業を行いました。フィルムをリールに巻いて現像液の入ったタンクに入れて撹拌する作業と薬品を洗い流して現像を停止させ、ネガ像を定着させる作業、そしてそれを乾燥させるためにヒモに吊るすまでの作業。一人ひとりの作業となるため、遅くまでかかってしまったようですが、無事終了。

2日目はフィルムの画像を印画紙に拡大して焼き点ける作業。フィルムを引き伸ばし機にセットして光を当てて、下においてある印画紙に感光させ、それを薬品に浸して目に見える画像に変化させます(焼きつけ)。絵が現れる瞬間が感動的なのですが、生徒たちは慣れているのか淡々と作業をしていました。引き伸ばし機で光を当てるのはほんの一瞬、1秒の何分の1です。これは難しいです。ちょっと違うと白っぽかったり、黒っぽい写真になってしまいます。作業はさらに、感光した印画紙を洗って絵を定着させ、乾燥させるためにヒモに吊るす作業です。作業は1枚1枚行うので、本当はかなり時間がかかりますが、当日は1人1〜2枚程度の焼きつけ作業で、夕方までに終了しました。

以上、編集部が取材をした様子ですが、実際は卒業したばかりの3年生で前写真部部長の窪田有希くん(日大芸術学部写真学科に入学します)が2日間とも来校してくれて、暗室内で細かく指導してプリントまでこぎ着けた感じ。これからは今の1・2年生が後輩に指導していかなければなりません。部員全員が行えなかったこともあり、まずは部内でアナログのモノクロ写真のプリントができるようになることが先決かもしれません。

写真部は春の審査会に向けて、春休み中に校外撮影会を予定しているそうです。そちらの方の報告も聞きたいですね。

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