この夏休み、南米ペルーの山奥にあるインカ帝国の遺跡、マチュピチュを訪れた。
遺跡の入り口から急斜面の山道を登っていくと、写真で見たことのある同じ景色が目の前に広がった。
標高2400メートルの山頂に築かれ、ふもとからは全く見えないので、謎の空中都市として、新・世界七不思議の一つに数えられている。
マチュピチュの遺跡はそれぞれの石がきれいに合致するように切り出されている。
これは、見た目の美しさだけではないらしい。
ペルーは、地震が起きやすい国で地震の時にわずかに振動しながら動き、その後、元の位置にしっかりと戻るという。
また遺跡内には星を映して天体観測をしていたとされる水盤や、
冬至や夏至の太陽の位置を意識して作られたものがたくさんあり、
インカの人々の知恵と技術の高さに驚いた。
僕は今までヨーロッパや南米の世界遺産をたくさん見てきたが、このマチュピチュの遺跡を目の当たりにした時の感動は格別だった。
空に近いところへ都市を築いたのは、スペインの征服者から逃れるためだったのか。
それとも、太陽の神に近づくためだったのか。
文字を使う文化のなかったインカ帝国の遺跡は多くの謎を残し、そこがまた人々を魅了するのかもしれない。

(高等部2年生 男子 ブラジル在住)

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