11月11日(土)ニューホールにて、立教英国学院創立45周年記念コンサートを行いました。
演奏する児童生徒たちは、男子は蝶ネクタイ、女子はブラウスと、いつもより華やかな出で立ちです。
日頃お世話になっている地域の方々や、保護者の皆様、卒業生や本校旧職員など、様々な方々を招き、児童生徒たちが奏でる音色に、ともに耳を傾けました。
本コンサートは5年ごとに行われます。「音楽は国境を越える」といいますが、この日のコンサートはまさしくそれを感じさせるものでした。

今年は、約半世紀に迫る本校の歴史のひとつの節目の年です。いくつかのクラスの授業で、45年前、本校がどのように始まったのかという題で話しました。また、中学3年生は歴史の授業で、この学校の歴史について調べ学習をしました。

本校は、1972年に、縣康初代校長によって創設されました。
当時の日本は高度経済成長期で、事業が拡大し、海外赴任という働き方が増えていましたが、海外における日本人向けの教育体制は整っておらず、英国には日本人学校はひとつもありませんでした。
立教大学、立教高校で働いてきた縣初代校長は、海外で活躍する多くの日本人の子供たちが、現地の学校に通い、日本のことを知らずに大人になっていくことを憂い、海外でも日本の教育を受けられるように、と本校を創設しました。

当時、イギリスは外国人のための外国人学校を認めていませんでしたが、本校がイギリス国教会に則っていることが評価され、本校は例外として設置が許可されました。校舎は、もとは資産家の館、その後はホテルとしても使用されていたところを買い取ったので、ほんの数棟しかなく、現在のような教室棟は全くありませんでした。

そこから徐々に児童生徒が増え、建物が増え、グラウンドが整備され、現在の立教英国学院の姿になりました。各建物には設立時に司教から祝福を受けた証のプレートが貼られているので、完成した年を知ることができます。中学3年生の授業では、このプレートを辿りながら本校の歴史を整理していきました。

この日コンサートが行われたニューホールもまた、創立時には無かった建物になります。今でこそ伝統となっている、皆がニューホールにそろって食事をする風景ですが、初めてそのような食事ができるようになったことを、当時の児童生徒たちはさぞ喜んだことだろうと想像できます。

このように、本校の歴史は、「異国の中の日本」の歴史でもあります。こうして現在の形まで発展し、また新たな児童生徒を迎えることができるのも、国という枠を超えた多くの人々の協力と努力があったからこそです。また、現在も多くの方々の支えによって本校は成り立っています。この日のコンサートでは、そのような皆様に音楽を通して感謝を伝えることができました。

次のコンサートは5年後、今度は半世紀の歴史とともに催されることになります。その5年後も、また10年後、20年後も、立教英国学院が皆様と変わらない絆を持ち続けていけることを願っています。

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