3学期最初の行事は「新春かるた大会」。全校児童生徒が参加する恒例行事です。

正月に皆で百人一首やかるたをする、という習わしについて、今では耳にする機会が減りました。児童生徒たちに聞いても、コマ、羽子板、凧上げのような昔ながらの正月遊びはほとんどやらないとのこと。

しかし、ここイギリスの立教英国学院では、毎年皆で百人一首を行っています。冬休みの宿題のひとつに「百人一首を覚えてくること」というのがあります。本気を出して取り組んでくる子も、そうでない子もいますが、結果は当日、目に見える形で表れます。なぜならかるた大会の形式が「クラス対抗」。小学5年生から高校2年生までが、同じ札を囲んで真剣勝負です。

百人一首というと、高校生が有利と思わるかもしれませんが、実はそうとは限りません。小学生や中学生は、国語の授業やホームルームの時間を使い、多くの歌に触れたり、練習をしたりしてきたからです。
百人一首は早い者勝ちというシンプルなルールですが、やはり覚えた方が強いです。勝負を重ねることを通して、みるみるうちにたくさんの歌を覚えていく姿を見ると、さすが、柔らかい頭をもっているな、と感心してしまいます。

さて、本番です。大会は3回戦、各ブースに分かれての勝負です。クラスのエースをどこで出場させるかも、重要な戦略です。
「あけぬれば〜」
上の句を詠み始めると、すかさず「はい」という声と札を叩く音が聞こえました。
とてもレベルが高いですが、とったのは中学生。しっかり覚えてきたのでしょう。先輩たちも驚いていました。
生徒たちが思い入れのある歌では、特に白熱した勝負が見られました。一番人気は、「ちはやぶる神代もきかず竜田川 からくれなゐに水くくるとは」。在原業平の歌です。漫画やアニメで有名なのでしょう。「ちは」の時点で勝負が決定していました。とれなかった子はとても悔しそうで、真剣勝負ならではの面白い一幕でした。

優勝は中学3年生。準優勝は中学2年生。後輩のパワーを見せつけた結果となりました。校長からは、互いに応援し合っている様子があって、とても良かったと講評がありました。日本の文化に触れ、クラスの親睦を深めたかるた大会となりました。

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