「ロンドンは治安が悪い」とよく聞くが私がイギリスに来てから約5年、正直そのことをあまり実感していなかった。それと同時にあまり警戒もしていなかった。だからこそ今回人生で初めて携帯電話をとられたときの衝撃は大きかった。
もちろん高校2年生になって初めてのアウティングはとても充実していて楽しかった。今回行ったナショナルギャラリーは中学2年生の時にも行ったことがあった。しかしその時は先生の後にくっついて行動していただけで、絵に特に興味もなく覚えているのはゴッホの「ひまわり」ぐらいだった。それに比べて今回は様々な絵を自分たちで見て感想も言えるようにもなった。ギャラリーのガイドさんの説明も思った以上に聞き取れた。その話の中には絵についての様々なエピソードやそれぞれの絵画の相違点などがあり、いつもの自分たちの視点とはまた違った視点から絵を見ることができた。
ナショナルギャラリーを出てそこからの自由行動で買い物をし、夕飯に中華を食べてとても満足していた。しかしその満足感は携帯電話がなくなったと気づいたとき、一瞬にして吹き飛ばされた気がした。来た道を探しても見当たらず、電源も切られていたためきっとすられてしまったのだろう。
残念ながら携帯電話は諦めざるを得なかったが、今回私は、「ロンドンは治安が悪いと言うのは事実だった。」ということを身をもって知ることができた。そして新しい携帯電話も買ってもらえた、とポジティブに考えることにした。もちろん今後は一切こんな経験をするつもりはないが、5年目にしてロンドンの恐ろしさを知ることができてよかったと思う。そして私はもう絶対にすられない。

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