立教英国学院には毎週金曜日の午後に行われるフライデースポーツという学校特有の時間がある。その時間には生徒それぞれが自分の好きなスポーツをしたり、新たなスポーツにチャレンジできるとてもいい時間である。私はフライデースポーツで乗馬を選択した。理由は他の学校ではチャレンジ出来ないという事と小さい頃からの憧れで始めたのだ。

私は小さい頃に一度だけ乗馬をした事があり、どんな感じだったかをバスの中で友達と他愛のない話をしながらぼんやりと考えていた。だが、思い出す前に目的地に着いた。到着した私たちを待ち受けていたのは息をのむほど美しい自然、私たちを迎えるかのように逞しく鳴く馬達だった。とにかく想像をはるかに上回る「素晴らしい牧場」というのが第一印象だ。いかにも英国の貴族達が馬に乗っているところを容易に想像できる牧場である。

実際に馬の横に立ってみるとその大きさに圧倒され、ある強い感情が私を襲った。それはもし、馬から落ちてしまったら、上手く乗ることが出来なかったらどうしようという焦りと恐怖だ。馬が些細に動くたびにその感情は増していった。そんな私を気遣うかのように乗馬の先生は「You can do it!Believe in yourself!」と言われ、実際に馬に乗ってみると、私が抱いていた恐怖とは裏腹に見たこともない新たな世界が広がっていた。馬に乗って歩いてみたり、走ってみたりと様々なことにチャレンジし、一つ、一つの動作に夢中になっていった。終了の時間が来てしまいとても寂しい自分がいることに気が付いた。最初の恐怖なんか忘れてしまっていたのだ。そして、私はあることに気が付いた。それは私が小さい頃に抱いた「楽しい!またやりたい!」という感情と同じ心境であるという事である。

また、乗馬の動作に慣れてくると私達は森に散歩をしに行った。森は本当にのどかで様々な動物や見たことのない植物がたくさんあった。私が乗った馬はとても食いしん坊だったので、道端の草を食べてしまわないように細心の注意を払いながら乗馬した。だが、私が食べないようにと指示を出すと、いつもなら食べてしまう大好物の草にも見向きもせず、ついてこいと言わんばかりに私をリードしてくれた。普段、練習をしているスクール内とは違う景色の中の散歩は、まるで自分が貴族になったかのように感じられる素晴らしい体験であり、馬との心の距離を縮めることができたような気がした。

このように私にとってフライデースポーツは新たなチャレンジであり、大切なことをたくさん学ばせてくれる。これからも、フライデースポーツという貴重な時間を通して成長していきたいと私は思う。

(高等部1年生 女子)joba2018t11

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