道具を使うからす(2)

 

彼はそれから、毎日確実にやってきた。
それも正確に給食の時間にである。
一年生と、身体だけは大きくなった
子がらすとの交流は続いた。

そのうち彼は、私の顔をしっかりと覚えて
しまったらしい。人のいい、「信頼できる」
おじさん、くらいに思ったのか、
給食の時間以外にも、私の身辺に現れる
ようになっ た。 二十分休みに、グランドに
出たりしていると、木の上から私を見つけ、
時折 「かあ、あ」と親しげに鳴く。
狭山ヶ丘高等学校付属中学校校長メッセージ
生来少しおかしな所のある私は、夜、
路傍の花に話しかけたりして、近所の人に
不気味がられたりしている。カラスに返事する
くらいは、日常茶飯の事である。

「ふたりの親密な交流」は続いた。

しかしここに、大変な問題が発生した。

その3に続く・・・

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