蔓延する美しくない日本語(2)
私も時としてこの「あります言葉」を使う。
講演や演説の折などにである。
「です」「ます」は短いが「あります」は
その倍も時間を取るから、その間に
次の言葉を思いつきやすいのである。
大隈重信は佐賀の人だから「あります
言葉」は使わない。長州に対する佐賀
人の意地だったのかも知れない。
しかし、間を取れる「あります言葉」は、
中々の魅力であるから、彼も本当は
使いたかったのではないかと思う。
その真偽は分からないが、大隈が演説
の最後を「我が輩は、そのように考える
んで、あるんである。」と結んだのは
有名である。
天才の彼も、この「あるんである」言葉で
間を稼ぎ、次の話の内容を模索したので
はないかと思う。
まことに魅力的な人物であったが、
考えてみれば微笑ましい話である。
その3につづく…