論文の書き方(4)

その他注意すべき事
名文とは「短い文」だと理解して欲しい。
我ながら悪文だと思うときには、それを
三つか四つの短い文章に分けて表現
することだ。

日本一の文章家は夏目漱石かも知れぬが、
例えば「草枕」を読んでみると良い。美事に
短い文章の連続だ。三島由紀夫、川端康成、
すべてそうである。

02598233_1

「潮騒」「雪国」は短い作品だから、疲れたときに
目を通して見てはどうか。

論述の一、二箇所に、君自身の生活観、
具体的な生き様を加えると良い。例えば
高齢化問題を論ずるとしよう。「私の父は
元気である。この父もやがて老境を迎える
のかと思えば少し淋しい。しかし幼い頃、
疲れていてもキャッチボールの相手を
してくれた父だ。今度は私が、しっかり
と支えてやりたいと思う」などと、生活感、
息づかい、君自身の個性をちりばめることが
大切なのだ。それも、ごく簡潔にである。

その5につづく…

 

ページ
TOP