Q:間違いのない大学選びのためには、どのような心構えが
必要なのでしょうか。

A:難しいですね(笑)。とにかく、自分がどの大学、どの学部に
進むかということについて、自分は、実は何も知らないのだと
いうことを深く認識しておく必要があるでしょう。

青春時代は自己主張が強いので、他人の意見に耳を傾けない
若者が多くいるものです。そのような信念溢れる若者こそ、実は
国家の将来を託するに足る人材ではあるのです。それだけに
私は若い諸君に絶大な期待を寄せます。

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しかし、どんな自尊心が強く優秀な若者であっても、老人と比べ
れば判断力はまだまだです。若さとは素晴らしいものではあるが、そ
れを若者自らが誇ってはならない。若さとは未熟さであると心得る
くらいのゆとりを若者には期待したいのです。

Q:若者は何事においても謙虚になれということでしょうか。

A:若者が心底謙虚になることはできないでしょう(笑)。

若者に謙虚になれというのは、「木によって魚を求める」
ようなものだと私は思っています(笑)。

大事なのは、謙虚にならなくてもいいけれど、両方の耳を
ふさいではいけないということです。 どんなときにも片方の
耳を空けておくくらいのゆとりは保っておいてほしいと思います。

大学の選択、学部の選択に当たっては、受験情報をたくさん
獲得した方がよろしい。自分自身、進路に関する文献研究を
怠らないことです。一口に学部と言っても、例えば「社会学部」と
いっても、色々な内容の社会学部があります。その大学のその
学部が、具体的に何を指導しているのかというあたりは、やはり
自分で研究しなければわからないことなのです。

どの大学を選ぶかではなく、それぞれの大学で何を学ぶかと
いう視点で絞り込みをかけることが大切です。これからの時代は、
どの大学を出たかではなく、それぞれの大学で何を学んで来たか
が問われます。

自分が学ぶべき対象が定まってきたら、それが難関大学であるか
とか有名大学であるとかとは関係なく、行きたいところに行けば
いいのです。まだまだ「学歴社会」は残っていますが、しっかり
学ぶ姿勢さえ確立できれば、何が何でもワッペンのついている
大学に入らなければならないというようなものではありません。

 

その4につづく…

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