待つことが大切
12月9日(土)、図書館で第4回目となる教養講座が行われました。対象は保護者、生徒、図書館関係者です。今回は、シャンティ国際ボランティア会南相馬事務所長の、古賀東彦氏にお話しいただきました。東日本震災の後、移動図書館で仮設施設を回り、被災地に本を届ける活動をされていた方です。
その中で、「日頃本をよく読む人でも、本を届ければ喜んでくれるとは限らない」というお話がありました。「活字がバラバラになって入ってくる、読んでいても中身が入ってこない」と言われた、と。素人の感覚だと、支援ボランティアと言えば、できるだけ早い方がいい、という思い込みがあるが、本当に必要なタイミングは、支援を受ける人それぞれ、違う。だから、出かけていって、そして待つことが大切、とのお話。
図書館の教育は、支援という言葉のイメージがぴったりだと思います。
生徒の読書活動を支援する、教科の調べ学習を支援する、自主学習を支援する、など。図書館でのマナ-向上などの利用者教育も、良き利用者として育っていくための支援です。支援というと、サービスに近いイメージを持たれがちですが、単純なサービスともまた違います。本の返却がなければ、いつまでも追いかけて返却を催促する、館内で騒いでいれば、根気強く注意する、など、当たり前の教育を行います。すると生徒から、「お客様サービスが足りない!先生、サービス精神ゼロ」などと言われることがあります。無理を言っても通る、という形でのサービスを受けることに慣れているのでしょう。
でも、私たちは妥協することなくマナー教育をします。そしてこの支援も、被災地支援と同じ、支援を受ける側にとってベストのタイミングがあります。
今、生徒の心に全く響かなくても、全く態度が改善しなくても、待つことが大切です。
いつか、必要になるときが来るまで、根気よく支援します。