唐突ですが、広報の個人的によく読んだ人(敬称略)
- 内田百間
- レヴィ=ストロース
- バタイユ
- 高山宏
- 鹿島茂
- 荒俣宏
- 松岡正剛
なのですが、先日、高山宏先生の最終講義が大妻女子大学で行われましたので、広報も聴講してきました。
高山先生は、英文学や比較文化史の研究者とされていますが、昔、青学の面接時に『専門 多数』と書いたほどで、学際的というか、横断的というか、『超』的と言いますか、そのような研究者と認識しています。
高山先生の本は、文化史的脈絡の中で語られますので、時代背景や社会システムなどともに作品の成立過程を知ることができます。
『近代文化史入門超英文学講義』(講談社学術文庫) 2007のまえがきでは、
ぼくは自分でさがし、自分で組み立てる快楽一杯の「知恵の実」を食べたp.4
今まで何の関係がと思われていたふたつのものがひとつであることがわかる時に生じる変化を、ぼく自身、今や大袈裟でなく、生きていることの究極の快と思う。p.5
などと、読んで嬉しくなった思い出があります。
さて、当日の授業です。
まず、『今日は、気を入れて5,6人の人生を変えるくらいのお話をします』と、始まりました。
先生は、授業のレジュメにA3プリント両面を使うそうです。
いただいたプリントには、図版やテキストがコラージュ作品のように作られて、アート作品のようでした。
広報が高山先生の授業を解説するのは難易度が高すぎますので、最終講義での先生の言葉を並べることにします。
- 文字で入ってくる情報をどのようにビジュアル化するか
- 絵の持っている力は文字の4-5倍
- ビジュアルカルチャーに関する理解が人文にも重要
- もらった教材を大切にする感覚が大事
- (文学を)自分の体験したことのないものを自分の体験として咀嚼して蓄積する
- 『専門 多数』は、大事なこと。
- ビジュアル表現を教えられる先生が必要 漫画でしか伝えられないメッセージがあるということ
- アートの目的は驚かせるもの 文化はある段階に来ると動かなくなる アートの中でそれを超えたものがマニエリスム
他にもロマン派や、ピクチャレスクなどのお話も聞けました。
最後に、『みんな、高山宏のライフスタイルになろう』と呼びかけて、大教室は和やかな笑いに満ちていました。
結局、予定の一コマをオーバーし、3時間近くお話を聞けました。
貴重な機会でしたが、楽しくインスピレーションにみちた授業で、個人的には勇気づけられました。
高山先生は、4月より大妻女子大学の副学長に就任なさるそうです。
瀧野川女子学園から大妻女子大学へ進学する人もいるかと思いますが、高山先生のお話を聞けるかもしれませんね。