自身の手で文字を書かない作文は初めてだ。それだけじゃない、画面越しに行われる授業も初めての体験だ。コンピューターの使い方に戸惑いつつも、新しいスタイルに新鮮だなと感じている。

私の春休みは、まるで出口のない迷路にいるような休みだった。その迷路は休みが終わった今も続いているように感じる。私にそう思わせている原因はきっと世界を脅かせているコロナだろう。折角日本にいるのに友達にも会えず、テレビをつければ感染者や亡くなった方の報道、はっきりしない政治家、何を聞いても不満しか出てこない人々ばかりでストレスが溜まってしまう。行き場のない嫌な気持ちが溜まっていく一方で、私は恵まれた環境にいるなと感じている。それは、私の家には犬・猫がいる為家の外に出ることはできないけれど一緒に遊んだりできるからだ。犬達のおかげで終わりのない迷路も楽しいと思えるようになった。

毎日家にいるということは、普段学校に行っている間会えない分一緒に犬達と過ごせるという事だと良い方向に考えている。普通の休みならやろうとしなかっただろうお菓子作りも今でははまっている。何も考えたくない時、無心でお菓子を作っていると自分の気持ちも落ち着くし、出来上がったお菓子を美味しいと言って嬉しそうに食べる家族を見ると一石二鳥だなと感じた。

今皆がそれぞれ不安と恐怖を抱いているが、私の様にこの状況を良い方向に考える事ができたら「おうち時間」を充実させる事ができるのではないだろうか。目の前の事に過敏になるのではなくて、自分たちの周りにある選択肢に目を向けて欲しい。

(高等部3年生 女子)

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