瀧野川女子学園では受験生向けにデッサン教室を開催することがあるのですが、担当は、美術の先生と美術部が行います。
今年度の第四回の模様をレポートです。
窓の広い教室で、在校生や卒業生とともに、数人の受講生がデッサンをしています。
「映っているものの形を積極的に書いちゃった方がいい」
「画面全体に抑揚をつける」
「線の質を変えてみる」
「実像と虚像の違いを意識して描いてみる」
「描いていない紙の白だけど、空気感が出ていますよね」
というアドバイスとともに、実祭に鉛筆を手に具体的な教え方をしていました。
また、基本のまっすぐな線の引き方も、「手首を動かさないように」と、ジェスチャーで示してみせて、「行き先を決めて、ダッと引く」とおっしゃっていました。
デッサンが済んだ後は,講評会です。
広い意味での片付けも怠りません。
講評会は、「他人の良いところを見出せるような目を持つ。それは、自分の世界を広げることにもなる」との目的があるそうです。
批評でも、具体的に褒める方が難しいということはあります。
そもそもたいていの言語では、褒め言葉の方が、否定語よりも少ないものです。
講評では、
「デッサンの初めで石膏をやるのは,ものの持っている固有色を見出せるようになる前に、固有色が白である石膏を用いる」
というお話がありました。
写真は,「物と物の重なりを作ってみる」というアドバイスをしているところです。
ただ漫然と一列にに並べると、前後がわからないからだそうです。
今回のモチーフは,在校生が組んだそうです。
物が一列に並ばないように、また、どの席から見ても位置の違うものが点在するように、それらを観察し表現できるように点在させたそうです。
美術部の在校生も講評をしていました。
「受講生のみなさんは,美術部員に負けないくらい自分のフィルターを持っている」
「鉛筆の黒鉛による陰影の違いを見てて、勉強になりましたし、新鮮でした」
最後に美術の石川先生の言葉です。
「次は必ず今日より良くなる。積極的にやって」
今日は、他にも学校説明会や入試チャレンジなどがありました。
夕の空には十日の月が上がっていました。
来週の水曜あたりは中秋の名月ですね。
イベントの他、今日は住み込みの用務のご夫婦が退職されました。
25年間、生徒さんを支えていただいたご夫婦です。
本当にご苦労様でした。
教職員一同、お礼と拍手でお送りしました。