屋上庭園からの夕暮れの景色です。

みなさんが中学2年の時に学習する清少納言の随筆『枕草子』第一段。そこには、四季それぞれの情趣が彼女の視点で述べられています。

季節を、一日の中でのすてきな時間帯で表すとしたらいつごろかという捉え方をして、それに合う風物も紹介してくれています。

秋は夕暮れ
夕日のさして 山の端(は)いと近うなりたるに
からすの 寝所へ行くとて 三つ四つ 二つ三つなど 飛び急ぐ さへ あはれなり
まいて かりなどの 連ねたるが いと小さく見ゆるは いとをかし
日入(い)り果てて 風の音(おと) 虫の音(ね)など はた 言ふべきにあらず

【語釈・注釈】
山の端 山の、空に近い部分。山の稜線。
さへ 添加の副助詞 〜までも
印象的にはあまりよくないイメージのカラス、そのカラスの寝ぐらに帰るシーンまでも、ジ〜ンときてしまう、まして、秋の代表格の渡り鳥、雁はもちろん・・・、ということを強める表現。
風の音 秋の野の草を分けるようにどっと吹く強い風。野分。

やっぱり、秋は夕暮れがいいわ、と清女。
まさに「組み合わせの美」
カメラやスマホを手にして、秋のお気に入りのシーンを切り取ってみるのもいいですね。俳句に詠むのも面白い。
そういえば、授業中に「俳句はカメラだ」と自分でもよく言っていたことを思い出しました。

皆さんにとって、秋の日のおすすめの時間帯はいつごろですか。
どうぞ、小さい秋を見つけに行ってみてはいかが。

夕空にフェニックス、何かの暗示でしょうか。

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