本日の高校放送礼拝では、この夏アジアキリスト教教育基金(ACEF)の「バングラデシュ寺子屋(小学校)訪問スタディツアー」に参加した高2のTさんが、先週の中学校チャペル礼拝に引き続いてお話をしてくれました。

先週の中学校の礼拝(9/12、木)での原稿を掲載しますので、どうぞご覧下さい。

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聖書 マタイによる福音書7:7,8

「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる」

突然ですが皆さんはバングラデシュという国のことを知っていますか?バングラデシュは九州2個くらいの広さで、国の周りをインドがくるっと囲んでいる、アジアの国の一つです。人口は1億6000万人。国民の多くは毎食カレーを食べるため、カレーの消費量は世界一です。また、少し前まで世界で最も貧しい国と言われていました。加えて2016年に日本人7人がなくなるテロが起こったこともあり、危険な国という認識を持っている人もいるかもしれません。私はそのバングラデシュにアジアキリスト教教育基金(ACEF)のスタディツアーで10日間行ってきました。

なぜ私がバングラデシュに行くことを決めたかというと。学院小学校の時おこなっていたバングラデシュの小学生に鉛筆を送るプロジェクトが大好きだった、アジアに興味があって進路の参考にしたかった、などいろいろあります。しかし一番の理由は、人生でたった3年しかない高校生活を淡々と過ごしているだけの自分に気づき、何か行動を起こしてみたいと思ったから、というなんだか拍子抜けな理由です。ですから、自分から大きな決断をしない、アクティブでない私がバングラデシュに行く。というと、私を知る人は、え、なんでバングラデシュ?あなたが?と、口を揃えて言いました。

実際にバングラデシュへ行くと日本とは違う景色に驚きました。道路はガタガタ、車とリキシャという乗り物でいっっぱい。常にクラクションが鳴り響いている。当たり前のようにゴミが散らかっている。こんな世界もあるのかと愕然としました。

滞在中、お土産を買うために現地でお世話になったバングラデシュの方々と一緒に、町の市場に行きました。人であふれる街を歩いていたときのことです。私は歩道で立ち尽くす物乞いの人を見ました。バングラデシュでは物乞いは珍しくありません。男の人であったり女の人であったり、歳をとっていたり、こどもであったり、体に障害を持っていたり様々な人がいます。私がそのとき見たのは歳をとった夫婦でした。奥さんが旦那さんを支えるように立ち、旦那さんは目に障害を追っている様子でした。私の記憶では、私はその時まで物乞いをする人を見た事がありません。初めてのその光景に強い衝撃を受けましたし、なんだか見てはいけないものを見てしまったような気になりました。実際にこの目で見た貧富の差はあまりに残酷で、頭の中で問題を消化することができませんでした。何も考えたくなくなった。言葉が出ませんでした。

彼らはどういった背景があって今ここで物乞いをしているのだろう。彼らが物乞いをしなくては生きていけないいのは何故だろう。歴史?政府?周辺の国々?世界?彼らは外国人である私たちを見て何を思うのだろう?もし私や他の誰かがお金を渡しても、それだけで物乞いをせずに生きていくことはできるのだろうか。

考えるとキリがないし、どれも私の力だけで解決できるものではないでしょう。私はただただ目の前の大きな問題を眺めることしかできませんでした。今も答えは出ていません。

また、スタディツアー中いくつもの小学校に訪問しました。日本の学校といえば、十分な広さの教室に一人一人に用意された机と椅子があって、空調も効いていて快適な環境だと思います。しかしバングラデシュの学校は日本とまったく違いました。ある学校では、私たちの教室の半分の広さの部屋をついたてで仕切り、生徒が長机にぎゅうぎゅうになりながら勉強をしていました。自然光だけで薄暗く、空調などはもちろんありません。そのような日本では考えられない環境の中でも、バングラデシュの子どもたちの目はいつだってまっすぐでした。

この話を聞いて皆さんは何を思いますか?私たちは子供達のために何かできることがあるでしょうか。、、、この問題も、物乞いの問題と同様に私の答えはまだ出ていません。

今日お読みした聖書にはこう書いてあります。「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたききなさい。そうすれば、開かれる」。

今回のツアーでは一筋縄ではいかない問題にたくさん出会い、解決するために私たちにできることについて沢山考えました。自分の中の答えが出たものもありますし、逆に今話したような未だに消化不良で、もやもやする問題も多くあります。しかし求め探したため、私の価値観やものの見方は良い意味で変わりました。また、初めてのことに挑戦するのは不安を伴うものでした。しかし、ツアーへの参加が門を叩く、ということならば、私に世界のことを教えてくれ、私を変えてくれたこの機会が門は開かれるということだったのかな、と思っています。

ここで学びを終わりにせず今後にも生かしたいと思いました。そして中学生の皆さんも求めること、探すこと、門をたたくことに挑戦し続けて欲しいです。

<祈り>

めぐみ深い天の父なる神様。今日もこうして新しい朝をお与えくださりありがとうございます。私たちはよく、自分の置かれたありがたい状況を忘れ、あれがないこれがない、と無い物ねだりをしてしまいます。神様。どうかそのような私たちをお許しください。そしてそのことに気づき日々に感謝できるようにお導きください。

台風の影響で今も苦しんでいる人が大勢います。一刻も早くライフラインの復旧が進みますように。どうかその人たちをお守りください。

このお祈りを主イエスキリストの御名を通してみ前にお捧げいたします。アーメン。

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