9、10、11日目
9日目は金曜日だが学校が休みの日であったため、三日間の連休となった。この休みに備えて各家庭でいろいろと計画をしてくれていたようで、心から感謝だ。
さて、特に生徒たちの様子をレポートすることもできないので、オーストラリアに来て10日が経ったのでこれまでに感じたことや気づいたことなどをレポートしたい。
まずは気候。当然いまは冬ということであるが、5年前にきたときにさほど寒かった記憶はなかったので大した防寒着を用意していなかったが、ときどきそれを悔やむくらい寒くなることがある。とりわけ朝はかなり冷える。7時に自転車に乗って家をでるが、手袋がないことは致命的である。しかし8時くらいから気温が徐々に上がって昼になる頃にはポカポカ陽気である。そして夕方以降に再び気温が下がる、これの繰り返しである。
何よりも「オーストラリア」を感じることができるのはやはり風景だろう。以前も書いた通り、空が感動的に大きい。真上に目を向けると視界には空と雲しか入らない。もちろん、日本でも空は広いなと感じることはあるが、何かが違う。高い山もないし高い建物もないから、空が高く感じるのかも知れない。しかし言葉を尽くしても写真を撮ってもその大きさを正確に伝えることができない。
そして、朝日と夕焼け、夜空の美しさが半端ではないのだ。とりわけ夜空。僕は生まれて初めてこれほど綺麗な天の川を見た。そして毎晩当然のごとく見ることができる。こちらの人にその感動を伝えても「ああ、確かにそうだね」くらいなのだ。星に関する知識は全くないが、防寒さえしっかりできれば何時間でも眺めていたい。
またこちらの風景の特徴的なものの1つに丘の多さがある。シドニー市街にでればそうではないのかも知れないが、ゆるく大きな丘が連なり、その上を道路が上って下りてをずっと繰り返す。トンネルはない。ボウルに詰めた砂で作った丘のような丸さがあり、木は少なくほとんどが芝で覆われている。しかし山に入れば、誇張抜きで高さが50メートルくらいありそうな巨木の森が広がっていたりする。
トイレは日本人が海外へ行くと必ず戸惑うことの1つであろう。こちらの天の川と日本の洗浄器付き便座は、訪問者に与える感動の種類としては似ているかも知れない。何時間でも座っていたいとは思わないかも知れないが。こちらの便座はいちいち冷たく腰を下ろすたびに小さな声が漏れてしまう。公衆トイレは普通に使用できるが、ときどきドアが壊れていたり便座があるべき機能を果たしていなかったりする。扉に隙間がある。まあ、トイレに関しては日本人が潔癖すぎるのだろう。
教会も大きく違う。建物は赤煉瓦造りで四角錐の屋根を持った高い塔である。何年に建てられたものかは確認しなかったがかなり古いはずだ。塔には現役の鐘があり、その足元に大きな扉がついていてそこが入口となっている。礼拝堂に入ってくと、バンド演奏が聞こえてくる。エレキドラム、エレキベース、エレキギター、電子ピアノ、そしてクラリネットという編成で、ポップス風に仕上げた賛美歌をノリノリで歌っている。ある女性は両手に柄のついた何かの旗を高く掲げながら歌っている。歌が終わると、2人の青年が登壇しおもむろに子供向けの小芝居を始めた。まあ出来はグダグダではあるが、ほっこりするような芝居に皆は笑顔である。礼拝が終わると横手にある平屋造りの建物に移動しティータイムとなる。コーヒーやクッキーを手に芝生の庭へ行き自由時間となる。子どもたちは遊具や砂場で遊び、大人たちは芝生の上に座ってお喋りに興じる。この時間が1時間以上続く。一貫してリラックスした教会である。
学校は以前も書いた通り1〜2階建ての建物が広い敷地に並べられている。私立公立問わず門衛などは置かれていない。教室はさほど広くない。エアコンはついている。日本の黒板の半分ほどのホワイトボードが壁に掛けられており、全てにプロジェクターが付いている。日本のように綺麗に板書をしてノートを書く形ではなく、ホワイトボードは本当にメモ書きのような使われ方で、生徒たちはリラックスした雰囲気の中で質問をしたりディスカッションをしたりして理解を深める。「recess」と呼ばれる午前中の休み時間はスナックやフルーツなどを食べながら過ごす。ゴミ箱は多めに設置されているが、地面に捨てられているゴミは日本の方が少なそうだ。授業が終われば即帰宅。学校で管理する部活動はなく、希望者は地域のクラブに参加する。スポーツができる芝の広い公園はあちこちにあるため場所には困らない。照明も十分にフィールドを照らすので結構暗くなるまでやっている。
公立小学校を訪問したが、もっとリラックスした雰囲気で、子どもたちはカーペットの敷かれた床の上に座って先生の話を聞いている。先生も目線を下げるために低い椅子に座り、そのまま低い位置に置かれたホワイトボードに書いたり話したりするのだ。小学校2年生の教室を見学させてもらったときは「過去形」の勉強をしているところでなかなか興味深かった。
人。世界中を回ったわけではないが、どこにでも親切な人が溢れている。目が合えばニコリとしてくれるし、携帯を落としたといえば親切に対応してくれる。人と人とが顔を合わせれば笑顔が基本なのだ。ホストファミリーが新宿で道に迷った時、親切な日本人が道案内をしてくれたという話を聞いて嬉しい気持ちになった。
残りもあとわずかだ。悔いのないように過ごしてもらいたい。

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第2回学校説明会 9/8(土) 10:00~11:30  予約受付中

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