学校改革で英語、ICT教育がますます進化、成果を上げています!!

2016年にスタートした「Move onプロジェクト」も今年で3年目に突入しました。 「成果の一例としては、とくに、中学からの入学生に、『社会の中で役に立ちたい』という意識が高く、医療系に進みたいという生徒が増えたことですね」と、高校教頭の横尾康治先生。現に、理数教育の充実で理系学部への進学率は21.9%(2017度)と「理系女子(リケジョ)」率も高く、国公立大学への進学者も増えています。 「今春には高知大学の医学部へ現役合格を果たした生徒もいました。彼女が『医師になり、社会のために役に立ちたい』と、医学部進学への決意を固めたのは高3の夏休みだったのですが、高3の秋からの伸びがすごかったね。もちろん、それまでの基礎固めができていたからの結果ですが、建学の精神にもあるように、自分はどう役に立つのかという意識が心の中に浸透していったのだと思います」と、横尾先生。「本校の場合、高校からの入学生のほうが偏差値が高いと言われていますが、実際には中入生の伸びは著しく、高1では高入生と同じぐらいの偏差値、もしくはそれ以上になるのです。医学部に現役合格した生徒も、中入生でした」

2020年大学入試改革の 準備も着々と整う

●来年から高1には一人1台ずつパソコンを

十文字_ICTは、各教科で有効に活用

ICTは、各教科で有効に活用

一昨年には各教室に電子黒板を導入しました。「来年度から高1は全員、一人1台パソコンを持つ予定です」と浅見先生が言うように、 ICT化にも積極的な同校。パソコン一人1台の導入の前段階として、現在の中3からクラウドサービスを利用した『Classi(クラッシー)』というシステムを利用しています。 「『Classi』は、行事や学習の振り返りなどに使っています。これらの記録は蓄積され、それが、2020年の大学入試で採り入れられる「eポートフォリオ」としても活用できます」(浅見先生)

●発想がおもしろい! 数学の授業

ICTを使ったデータの活用といえば、中3の数学の授業でおもしろい取り組みを行っています。

「『データの蓄積』という分野があり、ここでは『相関係数』を学びます。相関係数について基礎的なことを学んだあとに生徒自らがテーマを決め、テーマに沿ったデータを取り、互いに相関関係にあるのかどうかを調べるのですが、これがとてもユニークなのです」と、浅見先生。

十文字_数学も、こうしてみるとおもしろい!

数学も、こうしてみるとおもしろい!

たとえば、「『寝る子は育つ』は本当か?」を調べたグループがありました。そのグループは中3の生徒全員に身長と睡眠時間のアンケートをとり、睡眠時間と身長、それぞれの人数を箱ひげ図にし、睡眠時間と身長の相関関係を散布図にして、仮説「寝る子は育つ」を検証したのです。相関係数を導き出すのはもちろんですが、仮説を立てるに至った経緯、分析、結果までをパワーポイントで作成。最後にポスターセッションで発表しました。 テーマ設定のきっかけは、友達同士の会話で「寝る子は育つ」という諺が出てきたことでした。でも、睡眠時間が短いのに身長が高い人はいる、では「寝る子は育つ」という諺は本当なのだろうかと疑問をもったのだとか。 そして、気になる結果ですが、「相関関係はないが、健康のためにも早く寝たほうがよい」という結論に達したそうです。

そのほかにも「持久走のタイムが速いと50メートル走が速いのか?」というものや「コンビニのおにぎりのカロリーと値段に相関関係はあるか」など、ユニークな調査が行われました。 「正直なところ、統計の資料は数字だけを見てもつまらないですよね。そこで、このように教員たちも試行錯誤しながら工夫しているのです。基礎をしっかり学び、そのうえで生徒自身の発想力をフルに生かして調べるというこの数学の授業は、知識の習得だけでなく、思考力・判断力・表現力を身につけ、多様な人と協力して学ぼうという点でもおもしろいのです。今後、このような授業をもっと増やしていきたいですね」(浅見先生)

●英語でもICTを活用。希望制の海外研修にも多数が参加

十文字_オンライン英会話は、生徒たちにも人気の授業

オンライン英会話は、生徒たちにも人気の授業

同校は英語でもICTを活用し、知識・技能の定着を図っています。 「たとえば、2016年に導入したオンライン英会話では、外国の語学学校の英会話講師と1対1で話すことができます。また同年、音読学習支援システム『Repeatalk(リーピートーク)』も導入しました。生徒の音読がパソコン上に録音されることにより、正しく読めているかどうかも評価してくれるので、音読学習が定着します」(浅見先生)

十文字_「コロラドホームステイプログラム(中3~高2)」にて

「コロラドホームステイプログラム」にて (中3~高2)

また、実践的な英語学習の場として海外研修があります。 「まず中3の春休みに、希望者のみですが、オーストラリアのブリスベンに行く10日間の研修旅行があります。この研修旅行は、中学3年間で学んだことを生かし、チャレンジの場にするという意味があり、全泊ホームステイで行われます。この研修旅行を始めた当初、希望者は28名しかいなかったのですが、今年は9割以上の120名が参加。『希望制』とは言えないほどに定着してきました」(浅見先生) 高2では、7月から9月の3カ月間のターム留学がありますが、この留学の目標は「留学後、英検の級を1ランクアップさせること」です。2017年にターム留学をした生徒は6名でしたが、帰国後の英検で、準2級の生徒が2級に、2級の生徒が準1級にランクアップ。確実に力をつけています。

●「批判的思考力」を身につけ、鍛える

十文字_授業には、ワークショップも頻繁に取り入れられている

授業には、ワークショップも頻繁に取り入れられている

同校では、「ディスカッション」「ディベート」「プレゼンテーション」などのアクティブラーニングをとおして、他者との違いや共通点を認識し、他者と協働する精神を育み、発信力を身につけることも大切にしています。このアクティブラーニングで必要になるのが「論理的思考力」「批判的思考力」「創造的思考力」の3つの力です。 「『批判的思考力』は、十文字学園女子大学の人間生活学部の池田まさみ教授の指導のもと、今年から始まったばかりの授業です。たとえば新聞記事を読んで、『この出来事に対してこの意見やコメントは合っているのか』を考えます。新聞に書かれてあることがすべて真実とは限らないですし、事実と記者の観点が違う場合もあることを学んでいくのです。『批判的思考力』は、たとえば『友達のメールを鵜呑みにしてもいいのか』など、生徒たちの身近な問題にも通じるものです。この授業は道徳や学活の時間に行っていますが、来年度からは必修となる道徳の授業で行う予定です」(浅見先生)

十文字_英語の取り出し授業はオールイングリッシュで

英語の取り出し授業はオールイングリッシュで

入学後、帰国生や英検3級から2級レベルの生徒には、Advanced Placement English Class(アドバンスド・プレースメント・イングリッシュ・クラス)として、ネイティブの専任の先生による英語の取り出し授業が行われます。 「このクラスは昨年は4名でしたが、今年は7名に増えました。また、英語が得意な生徒が増えることで、他の生徒たちにも良い影響を与えています。一般受験で入学した生徒は英語の得意な生徒に英語を教えてもらい、国語など帰国生が苦手な教科を教えるなど、相乗効果としてうまくいっているようです」(和田先生)

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