Aug_29_2016
Aug_29_2016

本日の昼過ぎに、フェアキャストで一斉にみなさんに緊急連絡が届いたかと思います。台風10号の影響で、今夜から明日にかけて風雨が強まり、明日の朝、台風が関東地方に最接近するという予報が出ています。当初の予報より東寄りにコースを取っているようなので、直撃はなさそうですが、それでも風雨はとても強いと思います。みなさん十分注意してください。明日は台風が通り過ぎてからは晴れになるようですが、それでも学校は終日休校となります。関係があるのは部活動の生徒だけでしょうが、晴れても部活動はありません。登校しないでください。また、中学生の学校見学や個別相談も対応できませんので、ご了承ください。

さて、みなさん、宿題はかどっていますか?夏休みは明日とあさって、あと2日間だけですよ。がんばってくださいね。

今日のエデュログは、写真部の活動についての紹介です。

現在、スマホにもきれいに撮影できるカメラが搭載され、誰でもいつでも写真を撮ることを楽しめる毎日です。デジタル技術の進歩はめざましいですね。そんなわけで、写真部の生徒たちも世の中の他の人たちと同じように、撮影はもっぱらデジタルカメラを利用しています。しかし、「写真の基礎」は従来から続くフィルムを使った撮影にある、と考えている部員もいます。写真術が発明され、発展してきた従来の方法…モノクロ・フィルムを使って「撮影」し、それを自らの手で「現像」し、感光紙の上に「引き伸ばす」という作業。

デジタルカメラが普及する前ですら、この過程は機械で大部分が自動化されていましたが、それをすべて自分たちの手で行う、つまり、カメラで撮影したものが紙の上に1つの「画像」として現れるしくみを体験します。この作業はかなり面倒で、時間がかかります。フィルムも最近は使う人が少なくなって値段も高くなりました。デジタルとは違って、失敗してもその分のフィルムを消して撮り直し、なんてできません。一枚一枚がとても大切。だから、撮影も緊張の連続です。失敗しないよう、気を遣って撮影します。フィルムを無駄にしないよう大切に撮影して、時間をかけてそれを一枚の写真に仕上げるという行為は、当然、それぞれの個人の技術を高めることになります。

先日の多摩動物公園での撮影会の時に撮影したモノクロフィルムや、各自が家で撮影したフィルムを持ち寄り、先週の8月26日、写真部は暗幕のある「生物・化学室」を借りて、現像作業を行いました。フィルムは光を当てると感光してしまいます。そんなわけで、現像の一連の作業は、光が当たらない暗い場所で行う必要があります。部員が一斉に作業できる暗い部屋は、学校にはあまりありませんので、写真部は「生物・化学室」を借りて作業をしているのです。

26日は、化学の渡邊先生にきてもらい、現像の作業を「化学的に」説明してもらいました。現像作業はいくつかの薬品にフィルムを浸すことによって行われます。なぜ、その薬品を使い、いくつかの作業していくと、化学反応がおこり、最終的に紙の上に画像が現れます。その説明を具体的にしかし簡単にしてもらいました。生徒たちは現像液の温度や、現像作業の時間を測ったりすることで手いっぱいで、どうやら、なかなか頭が回らなかったようです(笑)。そんな風にして、何本かフィルムの現像が終了し、週明けに引き延ばしをすることを決めて、いったん解散しました。

本日8月29日、台風10号がだんだん近づいてはいましたが、一日風雨は穏やかで、午後には青空も覗き、蒸し暑くなりました。写真部の引き延ばし作業は、蒸し暑い部室棟の中に設置された「暗室」で行われました。

現像作業同様、またいくつかの薬品をバットの中に用意して作業開始、写真部で代々受け継がれてきた引き延ばし機にフィルムをはさみ、の電源を入れ、その機械で上からフィルムに強い光を与えると、レンズを通して下に広げてある印画紙に感光します。その感光した紙を薬品に浸すと黒い絵が現れてくるのです。まったく不思議な化学現象です。暗室内では、感光紙に感光しない特殊な電灯だけが点けられ、薄暗い中での作業。部員たちは、部長の窪田くんの作業を見守っていました。

他の生徒たちも引き伸ばし作業をしましたが、もっぱら引き延ばしは窪田くんの仕事。夕方になるまで黙々と引き伸ばしては、薬品を乾かすために部室の高所に張ってあるヒモに、特殊な(ギザギザのない)洗濯ばさみで、写真を挟んでいきました。

今でも、県内の他校の写真部と交流すると暗室の話が出てきます。暗室での作業は、明誠高校写真部で伝統的に続いてきています。しかし、一時期、部員不足で休部になって作業を行える生徒がいなくなってしまい、フィルムの作業は途絶えていました。それを昨年度の部員たちが復活させ、また引き継いでいこうとしています。部室の中には、30年以上前にプリントした写真や、現像・引き延ばしのための道具などがそのまま残っていて、長い歴史を感じさせます。

部員たちの撮影の主体は「デジタル」ですが、温故知新、一年に何度かはフィルムの撮影から現像・引き延ばし作業を行って、明誠高校写真部の伝統をつないでいくことでしょう。

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