進路指導の難しさと大切さ
進路選択は成人にとっても永遠の課題(4)

 

私は「成績は良くない方」だったかも知れぬが、
弁論部長だったし、筆力においても論戦力に
おいても、はるかにこの担任教師を凌駕して
いたと思う。

私は礼を失せぬ範囲で手厳しく彼に反論して
その場を去った。 その後、熊が出るような寒村
の中学校に英語教師として赴任した。

そのまま4年をその村で過ごし、そこから一転
して大学に進学した。 その後、様々な路を経て
今日に至ったが、私の少ない経験に照らし合わせ
ても、適切な進路指導に接することは極めて重要
であるという結論を得た。

私は担任教師の常識論に反して、自ら学び続けた
が、このような“バネ 力”は誰にでも期待できるもの
ではない。

高校生は無限の可能性を秘めているが、人生に
おいて職業、社会的地位、そして所得などが、
どのような位置を占めるものであるかを理解する
ことはできない。

我々成熟した世代は、永く世の辛酸に耐えてきた
だけに、職業や進路というものが、人生において、
どの ような比重を持つものであるかを理解している。

理解してはいるが、我々に選択の可能性 はほとんど
残されていない。

 

その5につづく…

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