論文の書き方(5)
迫力のある文章には二つの要件がある。
ひとつは言葉に無駄がない事だ。もう一つは
論述に一貫性があることだ。むだを省く上で
大切なのは、練習を重ねることだ。次第に無駄
な事を書かなくなる。
論述の一貫性とは「起承転結」とも関わりがあるが、
ひとつの論述をしたら、その上に立って、それを
拠り所にして次の論述を進める事だ。
ひとつの論述の上に立って、これを拠り所として
次の論述に進む。ひと言で言えば、文章に論理的
発展性がある事だ。言葉に無駄がなく、文書に
論理的発展性があるという事、これが迫力ある論文
執筆の秘訣である。
日記 手紙を書く習慣をつけろ
日記は人間に心の安定をもたらす。手紙は、読む
相手がはっきりしているから非常に考えを纏めやすい。
この二つを君の生活に習慣化すると良い。
平素から日記や手紙を書く習慣をつけておけば、
文章を操り悩むような事がなくなる。
論文は自己採点せよ
教師に見て貰えれば一番良いが、教師も忙しい。
何よりも有効なのは、君自身が書いた論文を読み
返し、自己評価してみることだ。他人に見て貰うより、
この方が遙かに良い。
私自身は少年時代、弁論大会の原稿を読み直し、
訂正し、五回は書き直したものである。私の筆速の
早さは、この訓練に負う所が大きい。
多摩湖畔の木々は色づき始めている。秋は足音を
忍ばせて近づいている。読書の秋、勉学の秋だ。
健闘を祈る。
<完>