初めての喧嘩(3)
私は、あの強い大滝君が、私の「攻撃」に
屈したことに驚いた。その驚きは、 その後の
私の人生に、大きな影響を及ぼしたのでは
ないかと思う。
ところが、翌日は学校に行かなければならない。
昨日は「サプライズアタッ ク」で勝利しただけで
あって、大滝君は、私が互角に戦える相手では
ない。
怯 えながら学校に向かった。幸い大滝君には
会わずに登校することができた。も しかすると、
少し早めに登校していたのかも知れない。
だが、授業が終われば学校からは、帰らなけれ
ばならない。その時刻は遂に来た。
私は、「今日は大滝君にやっつけられる」と思った。
学校は坂道を下っていった所にあった。怯えきった
私は、その坂道の崖下にある草むらを通るコ ースを
選択した。坂の上の方を振り返り、振り返り歩いて
いったのだが、何度か振り返るうち、大滝君の姿が、
そこに現れた。彼も私を認めた。
その4につづく…