一人一人、みています

図書館では、MOTTAINAI精神を大切にし、売上金を寄付できる、という一石二鳥のイベント『雑誌即売会』を毎年行っています。

毎年、販売前から生徒は列を作って楽しみに待っています。お小遣いを用意して、お目当ての雑誌を手に入れた生徒は満足そうでした。今年は全校授業参観に合わせて行われたので、保護者の方にも楽しんでいただけました。

171024 図書館 エデユ

実は、今の司書教諭が図書館担当になった2013年から、図書館ではサブカルチャーを取り扱う雑誌やライトノベルは、置かない方針をとっています。そのため、雑誌も生徒にとっては少々地味な品揃えとなりました。

それでも雑誌販売は盛況。普段の来館者も貸し出し冊数も順調に増えています。司書は、「ライトノベルを置かなくなったことで来館者が減るのでは」という危機感と常に戦っていました。そのため、ライトノベル作品の名をあげて「ありますか?」と聞く生徒に、「残念ながら図書館にはないの。君たちが、お小遣いで買わないだろうけど、ぜひ読んでほしい、と思う本を優先して買っているから。でもね、それが好きなら、これがおススメ。」と、会話をしながら文芸作品を薦めています。

公共図書館では、個人の読書傾向の自由と秘密を守るため、個別に本を薦めることはありません。でも、聖学院では積極的に声をかけて、個別に本を薦めています。生徒から逆に薦められて、こちらの読書の幅が広がることもあります。

「君には、これがお薦め」と本を手渡すと、思いのほかうれしそうな笑顔が見られます。学校図書館では、一人一人、みているよ、というメッセージが大切なのだと思います。

ご家庭でも同じだと思います。「子どもが読んでいる本に、興味を示してあげてください。そして、同じ本を読んでみていただけるといいですね。」と保護者にはお話ししています。見ているよ、というメッセージが大切なのです。

雑誌販売、親子で訪れる姿も見られました。また、大量の雑誌を抱えて会計にやってきた生徒に「お小遣い、大丈夫?」と声をかけたところ、「売り上げは寄付だから」と、にっこり返してくれる生徒もいました。聖学院で大切にしているキリスト教の心が、ゆっくりと浸透しているとしたら、うれしいことですね。

売り上げは、被災地で図書館活動をしている団体に贈ります。

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