たまには広報も読書感想文を書いたらどないや、という話もありましたので、書いて見ました。
『ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』 ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)と言う本が数年前に売れました。
ブラックスワン、黒い白鳥です。
白鳥には、稀に黒い白鳥が生まれるそうです。
黒い白鳥は実際に存在しているのですが、どれくらいの確率で生まれるかはわかりません。
そのブラックスワンを象徴として見て、この世界の現象、とくに経済現象の予測は成り立ちにくい、ほぼ不可能というようなことが書いてあったかと思います。
例えば、宝くじは確率もわかるし当籤(とうせん)した場合の結果もわかるので、それはブラックスワンではありません。
著書の中で、ブラックスワンとは、『ほとんど起こり得ないが、起これば大きな影響を及ぼす事象』と定義しています。
いつ起きるか、起きた場合の規模もわからないものを言います。
例えば、株式市場の動向や、何がはやるのか、といった物事のことです。
計画通りにやって、ブラックスワンが起きた試しはない、とさえ著者は言います。
- 世界は、自分が思っているより、複雑でランダム。わかったという幻想を人は欲しがる。
- 分類をすれば、複雑さは必ず低下する。黒い白鳥が生まれるのはそういうところだ。
後になれば、如何様にでも解釈なんてつけられるわけですから、因果関係ばかり探るような仕事のやり方よりは、分けるよりもつなげる手法を学んだ方が現代にはふさわしかろうかと思います。
「境目に立ち、境目を探る」とも著者は言います。
自分でジャンルを決め込まずに、自分のしてる仕事の境界線を見る事により、自分の能力を生かしたまま、新しいジャンルや仕事をこなせるようになると思われます。
境目は限界ではないのです。
境をぼんやりとでも見ることによって、その向うにあるものに意識が向けられ、そのための準備もできるようになると思われます。
著者は、著書の後ろの方で、生活をしてゆく上で、仕事に85パーセント、ブラックスワンを起こせるような可能性に15パーセントくらいを費やすと良い人生が送れるのではないかと提案しています。
私は、仕事でも好きなことでも、全力でやり続ければブラックスワンが起きるのではないかと思います。
そのためには、なんでも良い、どこでも良いというわけではなく、自分の好きなことに力を注ぎ、自分を大事にしてくれる場を自分が大事にすることだと思います。
仕事を片づけたいのか、世界を変えたいのか。
今日、広報は午後に出張ですので、学食ブログはお休みです。