オレゴン滞在も一週間が過ぎてしまいました。
こちらは、気候が良く、日中は暑いのですが、乾燥していて、あまり暑い感じがしません。
車は多いのですが、日本よりも交通の流れが良く、圧迫感は感じません。
歩道は広く、車が通れるほど広く作ってある割に、人がほとんど歩いていません。
アメリカ人は、道は車で移動するものと思っているらしいです。
車道に止めている車はありませんし、自転車も少なく、ほとんどの自転車は車道を走っていますので、ゆっくり歩けます。

飛行機は不思議なものでした。
他に乗客はいますが、電車のそれと違って、passageする人というよりもstrangerという感じで、気にかけることはありませんでした。

エコノミーですので、あまり眠られたものではありませんが、比喩ではなく、地上から切り離されて、夜に空を飛ぶ現在のなかに身を置くことの安楽さを味わっていました。

真夏の夜の真夜中の時を追い越してゆき、一度終わったはずの八月三日が、再び巡りきて、気づけばなんだか心がひんやりしていました。

成田をたつ前にくしゃみと鼻水が出ていたのですが、長い八月三日が終わったら、不思議とすっかり良くなりました。

英語を話すのは楽しく感じます。
それもアメリカにいるからでしょう。
情緒抜きに話したり、人間関係の構築を考えずに言葉を伝えたりするのは、初めてのことかもしれません。

先週、酪農の農場が経営しているチーズファクトリーに出向いた際にアイスクリームを頼んだのですが、やっぱりvanillaは通じませんでした。

発音といえば、朝はホテルにレストランがないため、歩いて3分ほどのスターバックスで済ますのですが、カフェモカを頼んで、冷たいものが出されます。

朝は寒いくらいですから、hotと言っているのですが、どうしても通じず、昨日は、お昼に、地元のマスターが一人で切り盛りしているような喫茶店に入って、チャイ、ホット、スモール、と頼んだところ、やはり、冷たいチャイが出てきました。

冷たいチャイは珍しいと思いましたが、それにしてもいつになったら温かい飲み物が飲めるのでしょうか。

日本食が恋しくなるようなことはありませんし、ホームシックにかかるようなこともありません。

ただ、アメリカは、食欲がない場合に、食べるものが少ない気がします。
疲れは、気づかないところで溜まっているでしょうが、日本にいる時より、疲れていない気はします。
毎日よく歩いていますし、シャワーを浴びて、ベッドに入ると、すぐに眠ってしまいます。
ベッドのマットがあまり硬くないのも良いのかもしれません。

ホテルは、テレビがいまだにブラウン管ですし、エレベーターもないようなところですが、わたしには十分です。

ところで、枕が5個もあるのですが、どうしたら良いのでしょうね。
飛行機に乗ったのも、海外に出たのも初めてのことですが、一昨日、初めて車を運転しました。
学校の駐車場ですから、illegalではありません。
エンジンをかけて、レバーをドライブにしたら、ひとりでに進みました。
面白いものだとは思いましたが、アメリカで発展したものは、やはりアメリカ的だなと思います。

昨日は、休日でしたので、ポートランドから車で一時間半ほどかけて海まで行きました。
she sells seashells by the seashore.なんて早口言葉も思い出しました。

太平洋の海は茫漠として果てしなく、空は高く、日差しも強くありましたが、涼しい風が吹いていました。

靴を脱ぎ、裸足になって、ズボンの裾を膝まで捲り上げて、海に入ってみると、冷たい波を感じました。
緯度が網走よりも高いくらいですから、日差しは強いのですが、海の水は冷たい。

日本のような、海岸に売店や海の家はなく、別荘が崖の上に並んでいるだけの海岸です。

そこで、写真をとったり、リュックを背負ったまま、砂浜を走ったりして遊んでいたところ、波打ち際に、黒曜石のような石を見つけました。少し深いところにありましたので、波が引くのを待ち、写真を取って、拾い上げようとしたところに、大きな波がきて、まず、波をかぶり、そのあとの引く波に足元をすくわれ、ひっくり返ってしまいました。

波に背を向けていまして、しかもリュックのなかに研究社のリーダーズ英和辞典を初め、重りになるようなものを入れていまして、危うくカナダ側に流されるところでした。

カウボーイのようないでたちのアメリカ人がやってきて、すぐにバッテリーを外せ、というようなことを言いました。

バッテリーを外したのでしたが、カメラは壊れてしまいました。
私物ですから、あとで煩わしくならないのがせめてもの救いといったところでしょうか。

リュックは防水仕様ですが、チャックを締めていたポケットに入れておいた財布やパスポートはなんともなかったのですが、ほとんどのものは、一度潮に洗われて、手帳や辞書などの紙の類や、食べ物や帽子などは塩水というより、砂まみれになってしまい、捨てることになりました。

この日はmacbookをホテルにおいておいたのは、よかったと思います。

着ていたものは、ウインドブレーカー、Tシャツ、ズボンなど、全てずぶ濡れになりました。
ポケットのパスケースを出してみましたら、砂まみれというよりも、砂でできたタブレットのようになってしまいまして、カードの類を出した後は、これも捨てることになりました。

リュック自体も中に砂が入ってしまいましたので、乾いても使うのが難しい気がします。
ホテルに戻った後、部屋が磯臭かったほどですから。

日本から持ってきたものも半分くらいなくなってしまいました。

生徒の引率をしたり、写真を取ったり、夜はブログを書いたりで、英語の勉強をする暇がありません。
1日が過ぎてしまうことを残念に思う心持ちがします。
今まで気になっていたことが気にならなくなったわけでも、人間的に成長し、何かをできるようになったとも思えませんが、今まで曖昧だったプラスとマイナスがより強くなる気がします。

毎日初めての景色の前に立ちながら、それがどういうことなのかは、よく知っている知らない感覚を覚えるにとどまっています。

ポートランドの交差点のけしきです。もうすぐ夜になります。

DSC_0428

ページ
TOP