新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、初鹿野理事長先生をはじめとする学園役員の皆様方、多数の保護者の皆様方のご参列をいただき、このように令和4年度の入学式を挙行できますことを、心より御礼申し上げます。

只今、入学を許可されました中学159名・高校276名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。希望にあふれて本日を迎えたことと思います。これから始まる本校での生活が、皆さんの人生にとってかけがえのないものとなるように、私たち教職員一同全力で取り組んでまいります。

まずは、皆さんが晴れて本日を迎えることができたのは、保護者の皆様の深い愛情によるサポートがあったからであることを忘れてはいけません。保護者の皆様は、我が子の幸せな人生を一途に望み、皆さんの成長を心から願っています。多感な時期で素直に受け入れることができないかもしれませんが、感謝の気持ちを心の底に持ち、何事に対しても前向きに努力することで、その期待に応えてください。

さて、吉田松陰の言葉に「山は木を以って茂り、国は人を以って盛んなり」というものがあります。山に樹が茂るように、国は人によって栄えるという意味です。国を学校に置き換えると、「学校は生徒を以って盛んなり」となるでしょう。つまり、生徒が主体であり、生徒一人一人の学ぶ姿勢が学校を創り、社会を創っていくということです。

本校の建学の精神にある「有為敢闘」とは、為すべきことがあり、それを貫き通すという意味です。つまりは、世のため人のために、自分が何を為すべきかを探究し、その志の実現に向けて生涯かけて努力し続けるということです。
これからの本校での学び、体験はそのためにあり、その一つ一つが皆さんの人間としての土台となっていきます。高い専門性を持って人類貢献・社会貢献することを目指すのであれば、富士山のようにより大きな裾野・土台が必要となります。基礎学力や非認知能力と言われる意欲・自制心・忍耐力を高め、確かな人間力を身につけることが重要です。高校入学後の3年間、あるいは中学入学後の6年間は、人生の中で最も成長できる時期です。この時期に得た力は一生の宝になると思います。日々の授業・行事・クラブ活動を大切にし、主体的に取り組んで下さい。

新しい環境となり、それぞれ不安を抱えていることと思います。生活習慣や文化の違いを感じる場面も多くなるかと思いますが、大切なことは、互いに認め合い、思いやりを持って理解することです。自分の価値観を相手に押し付けるだけでは相互理解はできません。これは、利他の精神であり志をもつ上で最も重要な資質となります。他人のために何ができるのかを考えることが「志」の基本であり、自分自身の成長へと繋がります。自分を大切に、人を大切に、自分に厳しく、人に温かく、皆が力を合わせ、「自信・自負心・自尊心・自己肯定感」をも持って前進してほしいと願っています。

保護者の皆さん、本日はお忙しい中、入学式にご参加いただきありがとうございます。皆様の本日までのご苦労に対し、教職員一同敬意を表し、心よりお祝い申し上げます。本日より、ご子息の成長に全力でサポートしてまいります。ご家庭にあっては、本校の教育方針をご理解いただき、ご家庭と学校が協力してご子息の成長を果たしていきたいと考えておりますので、何卒ご協力いただけますよう、宜しくお願い申し上げます。

結びとなりますが、「夢なき者に成功なし、志を立てて挑戦せよ。どんな時でもどこでも、自分で考え自らの力で歩んでいく【主役】となれ」とエールを送り新入生の皆さんの今後の検討を祈り、式辞とさせていただきます。

令和4年4月8日
足立学園中学校・高等学校 校長 井上 実

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