冬休みに1年生は「紀行文」を書く、という課題が出ました。
「紀行文」とは、旅行の出来事・見聞・感想などを記したものだそうです。
一見簡単そうですが、表現の世界ではなかなか難しいもののように見えます。
それでも取り組ませたかった理由は何気なく過ごしている一日を
“意味のある一日”にさせたかったから。
と国語科の栗原先生と吉田先生はおっしゃっていました。
確かに文章を書くことは難しく、
国語が苦手であれば苦痛に思うこともあるかもしれません。
しかし、100人に同じ課題を出しても同じものはできません。
また、最も個性が表現できるものではないでしょうか。
その中から一つ紹介したいと思います。
鹿児島空港に着いて、市内へ向かう空港バスに乗った。
高速を降り、バスは市内へ入っていく。
バスの大きな窓から、町並みをながめていても、
活気が伝わってこない。
今年の桜島は噴火の回数が多く、大量の火山灰が降った。
こちらではドカ灰というらしい。
ただでさえ古く活気のない街の建物にその火山灰が厚く張りつき、
いっそう町が沈んで見えた。
しかしバスが天文館に入ると、年末のにぎわいで華やかな景色に変わった。
建物も人出も渋滞も都会と変わらない。
だけどぼくにはグレーに沈んだ町の景色の方が印象的だった。
鹿児島に一人住んで、年をとっていくおじいちゃんの姿と
重なったのかもしれない。
とても立派な紀行文となりました。
情景が目に浮かび、その時の気持ちがよく伝わってきました。
人に思いを伝えられる文章が書けるって良いですね。
(小川)