今日は2学期終業式でした。今年も残すところあと10日になりました。
校長先生ならびに各先生方から様々なお話がありました。
「2013年12月21日 中学二学期終業式の講話」
2013年も残すところ数日となりました。二学期は、厳しい残暑から短い秋、そし
て一気に冬がやって来た感じがあります。この1年を振り返ると、6月には富士山が
ユネスコの世界文化遺産に認定されました。そして、9月には、2020年東京オリ
ンピック・パラリンピックの開催が決定し日本中が歓喜に包まれるなど、私達の身の
回り、世の中では、様々ことがありました。今日のお話しは、そんな中で私自身が最
も興味深かった出来事を二つお話します。
ます、一つ目は、11月29日に地球に最も接近し、遂に彗星としての一生を終えた
アイソン彗星についてです。予測では、12月初めから10日くらいにかけて、早朝
と日没時に肉眼でも観測できたはずでした。このアイソン彗星は、大きさが直径約4
キロ、岩や砂粒を含んだ氷の固まりでしたが、残念なことに太陽に最も近づいたとき、
太陽の熱で水蒸気爆発を起こり崩壊してしまいました。研究者によると、このアイソ
ンが誕生したのは、約100億年くらい前のとのことです。宇宙の誕生が、約150
億年前、銀河系の誕生が約100億年前、銀河系の中に私達の住む太陽系が誕生する
のが50億年前、そして地球は45年前に誕生したと言われています。地球の歴史の
中で単細胞生物が誕生し、様々な動物・植物へと進化し、サルから人間へと進化する
中で私達人間は生まれました。アイソン彗星は当然、この時間のも、刻々と11月
29日の100億年の旅の終焉へ向かっていたのです。こうした宇宙で起こっている、
壮大なドラマを思うと、私達の日常の小さな悩みごとなど、ほんのちっぽけなものに
思えてしまいます。皆さんも、身の周りのことで思い悩んだとき、壮大な宇宙のロマ
ンを思い浮かべながら、星空を眺めてみてはどうでしょうか。ちっぽけな悩みななん
か吹っ飛んでしまうかもしれません。
二つ目は、2年前の東日本大震災の津波で流された漁船が、今年五月にアメリカ・ワ
シントン州の浜辺に漂着したというニュースがありました。そして、その漁船のタン
クから体長15センチほどの5匹の「イシダイ」が元気に生きているのが発見されまし
た。そのイシダイは、調査の結果、日本近海の暖流海域に生息する固有種であること
が解りました。これは、まぎれもなく震災の時、津波に呑み込まれた漁船の中にイシ
ダイの稚魚が入り込んで、それから2年間海流に乗って、厳しい環境の中、約800
0キロの長旅を生き抜いて、しかもその中で成長していったことになります。私は、
この魚たちのたくましさに驚かされたとともに、大きな希望を見た思いがしました。
今、私達もそれぞれの震災体験から、間もなく三年が過ぎようとしています。一期生
にとっては、本校に入学する直前の出来事だったわけで、まさにこの明徳中で過ごし
た三年間が皆さんの震災後の足跡ということになります。三年間という期間は、人生
を振り返る上で、大きな区切りになる年月だと思います。是非、この機会に、三年前
の自分と今の自分ではどう変わったか、どう成長できたのか、是非、振り返ってみて
欲しいと思っています。
それでは、あと数日で新たな年、2014年を迎えます。年が明けると3年生は、高
校進級まで三ヶ月間です。しっかりと心の準備をしていきましょう。2年生は、中高
六年間の3分の1、発掘課程が終了します。学年末試験は、この2年間の学習範囲か
らも出題されます。冬休みから計画的に勉強を進めていって下さい。そして、1年生、
4月からは待望の後輩の皆さんが入学してきます。憧れの先輩になれるよう、準備を
していきましょう。
それでは、年末年始を元気に過ごし、希望に満ちた新年を迎え、3学期に臨んで欲し
いと思います。
皆さん、良いお年をお迎え下さい。
(杉本)