10月を思わせるような肌寒さを感じさせる2学期のスタートになりました。

それぞれ目標を掲げ新学期に臨むここと思います。

 

 

2014年度9月1日中学校第2学期始業式講話

関東地方は、この夏も本当に暑い夏でした。しかし、関東以外の多くの地域では、

大雨や土砂災害に見舞われました。特に先日の、広島市での土砂災害では、皆さんと

同世代の中学生も含め、多くの方々が亡くなりました。皆さんと共に、心よりご冥福

をお祈りすると共に、被災された地域の皆さんにお見舞い申し上げたいと思います。

 

そんな中、皆さんは、酷暑にもめげず、それぞれに意義ある夏休みを過ごしたことと

思います。千葉明徳中学校としては、皆さんが揃って二学期が開始できることを大変

嬉しく思っています。

 

夏休みに入る前の私からの宿題、『私より日焼けしてくること。』この宿題はでき

ましたか?

 

さて、私自身も、この夏休み様々な経験をしましたが、この夏休みちょっと、はまった

テレビ番組がありました。それは、NHKの連続テレビ小説『花子とアン』というテレ

ビ番組です。今日は、その番組を見ての話しをします。

主人公、村岡花子という人物は実在の人物で1893年、今の山梨県甲府市に生まれ、

1968年75年の生涯を閉じました。このドラマの原作は、その孫にあたる村岡 恵理さんで、

実際のドラマは、その一生をかなり忠実にドラマ化しています。

 

家の暮らしは貧しかったものの、四人兄妹の中で花子だけが、東京の女学校に通い

ました。実際に花子が通ったのは、東洋英和女学校でした。卒業後、一旦は郷里の

山梨で教師になりましたが、三年後に再び上京、出版社で働くようになりました。

やがて、花子は、印刷会社の経営者の村岡敬三氏と結婚、村岡花子となりました。

1920年、夫婦には待望の子供が産まれます。しかし、その息子は5歳になったとき、

全国的に流行した疫痢という病気で命を落としてしまいました。

 

そんな花子を、花子の卒業した女学校のブラックバーン校長先生が訪ねます。

(実際には、本名ブラックモーアというカナダから来ていた宣教師さんだった。)

その時、ブラックバーン校長が花子にいった一言が私の心に染みました。ブラック

バーン先生は、こうい言いました。『最上のものは、過去ではなく未来にある。』

『人生を生きていく上で、多くの辛いこと、悲しい出来事があるはず。そんなとき、

最高に良いことは必ず未来に待っている、そのことを信じて前に進みなさい。』

ということでした。

 

そして、花子はこのことをきっかけにして、その悲しみから立ち上がり児童文学の

翻訳者としての地位を確立していきます。やがて赤毛のアンをはじめとするモンゴ

メリー作品の多くを翻訳、さらにウィーダのフランダースの犬などの翻訳にも精力的に

取り組みました。もう一度言います。『最上のものは、過去ではなく未来にある。』

 

是非、皆さんも、これから生きていく上で心のどこかに止めておいて欲しい一文です。

さて、今日からの日程では三週後に明実祭・その翌週体育祭と秋のビッグイベントが

目白押しです。千葉明徳が育む人間像、それは『行動する哲人』です。

これらの行事は、皆さんが、『行動する哲人』として羽ばたいていく上でも重要な

意味があります。こうした行事に、是非、全力で取り組んでいって欲しいと思いま

す。

 

それでは、いよいよ明日から授業も始まります。夏休み気分からいち早く抜けだし、

普段の学校生活に戻し、そして来るべき明実祭そして体育祭をみんなの力で成功させ

ていきましょう。

以上です。

 

千葉明徳中学校・高等学校

校長 園部 茂

 

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