今年の夏らしい暑さでしたね。 青空と森の緑のコントラスト。 夏らしい風景でした。
そこに虫網を持った子供がいると、ふと少年時代を思い出します。 先日、理科部で
田んぼの生き物観察に行きました。

 

その時、カブトムシとノコギリクワガタを捕まえました。そこでビックリする事件が。
カブトムシやクワガタムシを「触ったことがない」「怖くて触れない」生徒がたくさん
いるのです。野生のカブトムシを初めて見る生徒もいました。
「大きい」や「爪が痛い」など、感想を言い合っていました。
何事も体験して実感するのが一番。

 

この体験を通して、虫を「怖い」「汚い」などと言わない大人に成長して欲しいと
思いました。緑豊かな学園の敷地には、多くの生き物が生息しています。
通学路から少し入ったクヌギの木には、カブトムシがたくさん集まってきます。
多くの生徒は、こんな所にカブトムシがいることを知りません。

 

通学路から見えるクヌギの木で毎日カブトムシが樹液をすっている。
密やかな虫たちの世界があるのです。秘密の世界をのぞき込む感覚で、毎朝彼らの
世界を観察しています。時々、私に気づいた生徒がやってきて、一緒に観察を
することもあります。虫かごの中では見られない、活発な動きや餌場を巡っての争いを
観察します。

 

喧嘩をすると体をぶつけ合う音が生々しく聞こえてきます。自然の中で虫たちが繰り
広げる世界を覗きながら、新たな世界観が作られていきます。 カブトムシがいようが
いまいが、私たちの生活は変わらないかもしれない。

 

しかし、このような世界を知っていると心が豊かになると思います。なぜここに
カブトムシがいるのだろうか。太陽の光と光合成の関係、発酵、樹皮を傷つけた生き物
の存在、カブトムシを食べにくる生き物など。
カブトムシから様々なつながりを感じることができます。
観察を通して世界観を広げ、生命(いのち)の営みを学んで欲しいと思います。

 

人知れず繰り広げられる虫たちの世界。近くの公園や森で観察してみませんか。
きっと素敵な出会いが待っていますよ。

 

 

(奥村)

 

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