2016年1月7日 第3学期始業式 校長講話
新年、明けましておめでとうございます。
2016年、今年も良い年にしようという決意のもとに、新年を迎えたことと
思います。
さて、この冬休みも世界では様々なことが起こりました。依然として続く、
EU諸国が直面する難民問題、そして昨日は、北朝鮮による核実験の強行が、
世界を震撼させました。世界は、様々な不安要素を抱えながらの2016年の
幕開けということになりました。年頭に当たり、私が年末年始に感じたことを
一つだけ話しをします。
昨年暮れに福島県南相馬市で農業を営む学生時代の友人からお米が届きました。
早速、お礼を言うために電話をしました。すると震災以来、初めて収穫したお米
だとのことでした。一昨年までは、地域の一角で共同でお米を作り、放射能の
影響を調べてきたそうですが、やっと環境省の基準を下回り、昨年から本格的に
米を作り始めたとのことでした。しばらく、休耕田にしておいたせいか、収量は
震災前の1.3倍になり、自分が農業を始めてから最高だったと皮肉を込めて
話していました。彼は、大学を卒業して福島に戻り、農業を始めたのが38年前、
その頃すでに、『安心・安全』を謳い文句に福島第一原発が運転を開始していま
した。彼は子供の頃、地元に原発が出来ることで大人達の間では、原発が来ると
仕事も増えて、暮らしも裕福になるという賛成派がいた一方で、『誰が安全を
保障するのか。』『万一、地震でも起こったらどうするのか。』という反対運動
も起こっていたことを記憶していると話していました。そして、そのときに積極
的に受け入れた大人達の多くが居なくなり、その子や孫の代で実際に例の3・11
大震災が起こったのでした。原発の完全な廃炉までの道のりは40年から50年は
かかると言われています。結局は、そのときは良かれと思ってやったことが、
今後約半世紀に亘って影響を及ぼしていくことになってしまったのです。
この年末年始にも、間もなく5年目を迎える被災地の様子も紹介されていました。
遅々として進まない復興の中でも明るく元気に未来に向かっている多くの人々が
いました。私自身も、日常の忙しさに、ついつい3・11があったことも忘れがち
になっていた中で、福島の友人から贈られてきたお米の味は格別でした。
私自身も、春には一度、福島の彼の下を訪ねようと思いながら、彼に負けないよう
に今年一年も、また頑張ろうと決意をして過ごした年末年始でありました。
さて、皆さん一人一人は、今年一年どんな目標を立てて新年を迎えたのでしょうか。
今年は、ブラジルのリオで南半球で初めてのオリンピック・パラリンピックも開催
されます。夏の参議院選挙では、18才から選挙権も施行されます。
そんな中、いよいよ今日から一年間のまとめ、三学期が始まります。高校三年生の
皆さん、まずは全員が、3月1日の卒業式に有終の美を飾ってくれることを期待
しています。そして、その前に一般入試を挑む皆さんは、まもなくセンター試験、
そして本番の入試が迫っています。体調を整え、これまで蓄えた力を充分に発揮
できるよう頑張ってください。そして、1・2年生、まずは全員進級しましょう。
そして、中学生の皆さん、今年4月には、3年生は高校に進級します。
1・2年生はそれぞれ進級し、待望の新入生が入学してきます。
憧れの先輩になれるよう頑張っていきましょう。
それでは、中高生の皆さん全員がこの1年、自己の目標に向かって頑張っていく
決意を固めていく思いを込めて、全員で三本締めを行います。普通、三本締めは
何かの終わりを閉めるという意味でやるのですが、調べてみると三本締めには、
もっと深い意味がありました。三三四を足すと十、漢字の九にもう一つ点を足す
と十、になるというわけであります。つまり、一本締めとは、三三四を一回、
三本締めとは、三三四を三回、いちなに、一回だけたたくのは、一丁締めという
そうです。
それでは、今年一年の皆さん目標が三重丸で実現することを願って、三本締めを行い
ます。
全員起立、ヨーオ…………………
今年一年の皆さんの目標が、三重丸で実現することを期待しています。
千葉明徳中学校・高等学校
校長 園 部 茂