2016年12月22日 千葉明徳中学校・高等学校第二学期終業式 校長講話

 

終業式

 

2016年も残すところ数日となりました。この1年を振り返ってみると、4月には

熊本県で大規模な地震が起きたり、8月には、日本人も大活躍したリオ・オリンピックが

開催されました。また、今年、象徴的だったのは、国民や市民の声が大きく政治や社会を

動かした年でもあったようにも感じています。

6月には、イギリスが国民投票でEU(ヨーロッパ連合)から離脱しました。また、7月には、

日本の首都東京で与党自民党が推薦する候補が敗れ、女性初の東京都知事が誕生しました。

さらに、先月、アメリカでは、ドナルド・トランプ氏が激戦を制し、次期大統領に決まりました。

これらの要因には、経済格差や政治が国民や市民の意識と大きなズレが生じていることなどが

要因だと言われています。皆さんには、こうした急速に変化しつつある世界の動きをしっかりと

見つめる目を持って欲しいと思った一年でもありました。

  さて、この二学期、千葉明徳中高でも様々なことがありました。初めての中高同日開催の文化祭も

実現しました。中学の体育祭・合唱コンクールもありました。それぞれに様々な思い出が出来た

ことと思います。そんな中から、終業式にあたり、私が特に嬉しかったことを一つだけお話しを

したいと思います。

今回、私は高校2年生の進学コース・ASコースの皆さんとシンガポール・マレーシアへの研修

旅行に同行しました。マレーシアの高校生との交流、現地の家庭に入ってのホーム・ビジット体験、

シンガポール大学の学生と巡った市内観光等、生徒の皆さんは、様々な体験から多くのことを

学んできたことと思います。そんな中、旅行中のある日、一人の生徒が私に駆け寄ってきて

『先生、外国で働いてみたくなりました。』と話しかけてくれました。

私は、思わず『頑張れ!』と肩を叩きました。

 そのとき、私の脳裏に浮かんだ言葉が『少年よ大志を抱け!』という言葉でした。この言葉は、

知っている人も多いと思いますが、1870年代明治初期の頃、現在の北海道大学の前身である

札幌農学校の初代教頭先生を務めたウイリアム・スミス・クラーク博士という方が言った言葉で

あります。クラーク博士は、植物学・動物学・農学などを英語で当時の学生に教えました。

そして、博士が故郷アメリカに帰るときに、学生達に言い残した言葉が『少年よ大志を抱け・

ボーイズ・ビー・アンビシャス』という言葉でした。実は、この『ボーイズ・ビー・アンビシャス』

は冒頭の部分であり、このあとにも言葉が続いていますが、冒頭の部分だけが有名になりました。

そこで、全校生徒に冬休みの宿題を出します。全文を調べて、自分なりの和訳をして3学期の最初

の英語の授業で担当の先生に提出して下さい。クラーク博士の思いは、江戸時代からの鎖国が

明けて間もない明治初期の日本の若者達に対して、グローバルな視野に立って大きな志を持って

欲しい、そんな思いを込めたのだと思います。まさに、現在もグローバル化が進む中、先ほど

お話しした研修旅行という機会を通して、『自分の活躍の場は、日本だけではなく、世界にも

広がっている』このことに気づいてくれたことを私は、たいへん嬉しく感じました。

今回のことは、高校のPTA会報にも書きました。是非、読んでみて下さい。

  様々なことがあった2016年も、あと数日で新たな年を迎えます。新年を迎えると高校三年生の

皆さんは、卒業式までの約二ヶ月、是非、有終の美を飾って欲しいと思います。

そして、一般受験で、これからが本番という皆さん、心から健闘を祈っています。

  それでは、来るべき年が、皆さんにとって最高の年になることを願い私からの話とします。

皆さん、良いお年をお迎え下さい。 

千葉明徳中学校・高等学校

校長  園部 茂

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