2017年1月7日  第3学期始業式 校長講話

新年、明けましておめでとうございます。2017年、それぞれに皆さん一人ひとり、

決意をもって新年を迎えたことと思います。

 

始業式

 

ところで、この冬休み、たいへん興味深い天体ショーがありました。とくに素晴らし

かったのは、1月2日の夕方6時頃、西の空に細い三日月がありました。その三日月の

左下の所に月にくっつきそうな位置に明るい金星が見えました。そして、直ぐ下をみる

と火星もありました。私の新年は、そんな興味深い天体ショーから始まりました。

さて、今日は、お正月様々なテレビ番組がありました。その中から一つだけお話しをします。

それは、元旦にNHKのEテレで放映された「女ひとり 70歳の茶事行脚」という番組です。

茶事(ちゃじ)とは、お茶の茶に仕事の事と書いて、茶事と読みます。茶事とは、信長や

秀吉の時代に千利休が確立したと言われています。これは、ただお茶だけを振る舞うのだけ

ではなく、最初は懐石料理から始まって 次にお酒を振舞う、そして、最後にお茶でお客

様をもてなす、なんと四時間にも及ぶ、おもてなしの原点とも言われている茶会だそうです。

その番組では、70歳になる茶事出張料理人 半澤鶴子さんという方が、ワンボックスカーに

お茶の道具一式や調理器具名などすべてのものを積み、一人で運転しながら全国各地を廻る

様子が紹介されました。半澤さんは、70歳を機に茶事の神髄を極めようと、着物姿で車を

運転し、その土地、土地で出会った初対面の人々に、その土地の食材を使い料理とお茶を

振る舞っていきます。ある時は港の片隅で、そしてある時は山間いの丘の上で、その茶事は

行われていました。

そして、番組の最後では、福島県の奥会津の深い雪の中での茶会を行われました。そこに、

三人の高校三年生の女子生徒が招かれました。そのときの一人は、2011年の震災で同じ

福島県の南相馬から避難してきている生徒でした。その生徒が、感想でこんなことを言って

いました。『私は、中1になったばかりの時、震災で避難せざるを得なかったけれど、

そんなに辛いことばかりでありませんでした。新しい友達も出来たし、今は今で凄く楽しい

です。』私は思わず、その生徒の言葉と半澤さんの生き方がダブり熱い物を感じてしまいま

した。

 「ありのままの全てを受け入れる中に答えがある」「不都合をいとわないで、やり続けてい

ると神さまがお知恵を授けてくれる」いづれも番組の中で半澤さんが言われていた言葉です。

私は、そんな半澤さんの、まさに一期一会に心を尽くした覚悟を決めた生き方に、圧倒され

ながら見ていました。この番組を見て思ったことは、人の生き方というものは、一人ひとり

違っていて当然ですが、それぞれがそのに自分らしく素直に一生懸命に生きていくことが

大切なんだと思いました。

2017年、皆さん一人ひとりにとって、様々な事がある1年になることと思います。

その中で、それぞれが、自分らしく素直に一生懸命生きていく1年にして欲しいと思いました。

 

それでは、高校三年生の、特に、これから一般入試を挑む皆さん、体調を整えて、全力で

頑張ってください。応援しています。そして、1・2年生の皆さん、全員が進級しましょう。

そして、中学生の皆さん、三年生は、4月には高等部に進級します。1・2年生はそれぞれ

進級し、待望の新入生が入学してきます。憧れの先輩になれるように頑張っていきましょう。

2017年が、千葉明徳にとって、皆さん一人ひとりにとって最高の一年になることを期待し、

新年にあたってのお話しとします。以上です。

千葉明徳中学校・高等学校

校長 園 部  茂

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