【初芝橋本中学校・高等学校】
卒業生の皆さん、卒業おめでとう。
今皆さんは、第二十期生として本校において
六年間・三年間の学習や生活、クラブ活動や友人、
楽しかったこと辛かったことなど振りかえるとともに、
明日の世界に向かってさまざまな感慨が去来している
ことと思います。
喜びと希望にあふれ、また、去りがたい惜別の情、
未来への期待とともに、不安などが交錯して
脳裡をかけめぐっていることと思います。
皆さんの前途は洋々として、その方向は多岐に
わたっているが、明るい希望に満ちた人生をどう開拓して
生きていこう か、心中燃えたつものがあろうかと思います。
初心を忘れることなく、これからの人生に、
力強くチャレンジしてもらいたい。
皆さんが本校での生活がどのようなものであったかは別として
ともに笑いともに苦しみ成長してきた事実を忘れないでいて
ほしいと思います。
クラスメイトだけでなく後輩、先輩も含めて同窓のありがたさは
今は意識していないかもしれませんが、本当にありがたいものだと
知ることがあると思います。
ところで、今までの皆さんは、やれ成績が上がった・下がったの、
遅刻をするなと先生から叱咤激励されて走っていればよかった。
レールは敷かれていました。でも考えるに勉強なんて
本来そんなものではありません。
自分自身で、自分のために、自分の意志で学ぶものです。
その意味でこれからが本当の勉強の始まりだということです。
そしてまた、、皆同じスタートラインに立ったのです。
現在は先が見えない時代といわれています。
不況は底なし状態、大学等を卒業しても
なかなか就職ができないという状況ができないという状況です。
明日を思い描くことが難しい。
このような状況の中どう生きていけばよいのでしょうか。
私はこんな時だからこそ「考えて生きること」が大切だと思います。
毎日の生活でも、友達関係でも、仕事でも、
自分の今の生きざまでも、あたりまえに流れるに任せるのではなく、
時には立ち止まりじっくり考えてみてください。
これでいいのか、軌道修正は必要ないか、改善の余地はないか、
いかに生かすべきか考えてみるべきです。
そうすることによって何かが見えてくるものです。
見えてきたらそれに向かって最善の努力をするのです。
技術であれ、知識であれ、一つのことを十年続けてみてください。
間違いなくベテランの域に達していることと思います。
特別の才能とチャンスに恵まれた人などいないのです。
ほとんどの人は普通なのです。
いかなる事でも一生懸命に続ければ
ベテランの域に達することができるのです。
それは力になるはずです。
楽してお金を儲けようなんて思ってはいけません。
明日を信じて誠実に精一杯生きてください。
「登らんと欲すれば登る道ありき」です。
夢に向かって歩き続けてください。
まさに生き甲斐のある人生です。
皆さん、どうか希望と勇気を持って、
着実に自分の道を開拓していただきたい。
人生という一筋の道を精一杯努力して進んでいこう。
その努力の道も、激動し続ける現代社会の中では、
必ずしも明るく真っ直ぐではないと思われるが、
皆さんがもっている清新なたくましい力で、
うるわしい我が郷土・愛すべきわが国「日本」の未来を
切り開いていくことは皆さんの責務であり、
また素晴らしい特権でもあります。
将来新しい社会の創造者として大きな責務を背負っていることを
考えた時、皆さんの自覚を切に望みます。
私たち教職員は常に皆さんの行く手を見守っています。
うれしい時、辛い時、いつでも母校を訪ねていただきたい。
学校は皆さんの魂の「ふるさと」だから。
二十一世紀に生きる人たちです。大いに活躍されんことを
祈っています。
最後になりましたが、今年度も卒業記念として多額の寄付金を
いただきありがとうございました。
卒業生の意向にそって有意義に使わせていただきます。
保護者の皆様にとって、かけがえのないお子様の輝かしい未来に
栄光あれと心からお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。