甲子園を目指して野球部に入るように、「東大へ行きたいから、それに直結するクラブに入りたい」という思いに応えるため、郁文館では「東大クラブ」を設立しました。
東大合格を勝ち取るための「個別最適」な環境を実現した、2023年発足のクラブです。
今回は、“東大クラブから東大現役合格1期生”となった石井さんの講演会の様子をご紹介します!

2024年卒業生の石井さんは、郁文館中学校から郁文館高校に進学し、通塾などなしで東京大学現役合格を果たしました。
受験、そして合格発表を終えた直後に開かれたこの講演会では、中学受験時の葛藤や、そこから東大合格に向け走り続けた日々について、ありのままの言葉で後輩に話してくれました。

「中学受験を振り返ると、自分の中では実力を出し切れなかった。だからこそ東大合格を目指した」

中学受験で実力を発揮できなかった心残りと、悔しさを胸に、“東大合格して、自分の選んだ道が正しかったと証明したい”と強く思い続けてきたそうです。

高校では、(少人数制志望別授業を含めると)8時間授業に加えて、小テストや課題で忙しい日々だったと振り返る石井さん。
高校3年生に上がるタイミングで塾に通うことも考えたそうですが、「郁文館の先生方が私のために授業を考えてくれたり、慧修会*のみなさんが数学の授業をしてくれたり、郁文館の東大クラブに頼るという形で、本当に東大受験に駆け抜けました。私はそれが良かったなと思ってます。」と振り返りました。

そして、「私はこれ以上、塾や夏期講習など何個も何個もやっていたらパンクしていたと思うんです。」と本音で話す場面も。
そんな生活の中でも「東大クラブを信じて取り組んだことが、結果的に良かったと思います。」と振り返りました。

*慧修会とは
東大・医学部受験専門予備校。本校と提携を結び、少人数制志望別授業などを担当。

東大クラブの仲間と先生の存在

東大クラブの仲間と先生の存在にも助けられたと話します。「模試の成績に関わらず“中学受験の時のように、実力を出し切れなかったらどうしよう”と不安になる時期がありました。そんな時、先生方に泣きながら相談に乗ってもらったり、仲間との帰り道でたわいもない会話に救われたりと、東大クラブの仲間と先生に助けられました。あの時間があったから私は受験を乗り越えられました。」と語る姿に、後輩たちは真剣に石井さんを見つめていました。

講演の終盤には、「受験は個人戦だと話す人も、団体戦だと話す人もいます。正直どちらが正しいのか今でもわかりません。ただ間違いなく私は、仲間の存在や、周りの環境のおかげで私は戦い抜けました。」と話し、「先生や友達、そして今いる環境(東大クラブ・郁文館)を信じてください。」と後輩たちに力強く呼びかけました。

先生から見た石井さんは“人の言葉を素直に受け入れ、真剣に向き合える生徒だった”

石井さんが中学3年生のときの担任の先生は、夢手帳に書かれた「東大合格」というページを写真に撮り、石井さんが東大合格したときに、このページを見せてあげたいと大切に残していたそうです。

また高校3年間の担任の先生は「真面目で素直。その中でも彼女のいいところは、他人の意見を素直に受け入れるところ。批判から入るのではなく、他人の意見は一度受け入れる。そこから考えるというところが素晴らしかった。このいいところが結果にも反映され本当によかった」と石井さんとの3年間を振り返りました。

国語科の先生からは「素直で誠実であること。そして心の安定が何より大切だと思う。思い通りにならないときはあると思うが、そのときに目の前のできることを真剣に取り組むこと。諦めない。破れかぶれにならない。そのひたむきさ、素直さ、心の強さが最後結果に結びついたのだと思う。」との話がありました。

最後に、在校生徒代表から「石井さんを見て、私も苦手科目に向き合おうと思えました。本当におめでとうございます。」と感謝の言葉と、花束が贈られ、温かな拍手に包まれて講演会は締めくくられました。
今回の講演会は、夢に向かってひたむきに努力を積み重ねることの大切さを後輩たちに伝える、かけがえのない時間となり、生徒たちは東大受験に向けたモチベーションをさらに高めました。
ただ学力を向上させるだけでなく、東大クラブでの経験を通じて人間力も成長していく姿が楽しみです。

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グローバル高校が行う探究活動の一貫として、国際協力について学ぶ生徒たちが「JICA協力隊まつり2025」*に出展しました。
本校の探究活動(SDGs探究)は、3年間を通じて各生徒が授業や国内外での様々な活動を通じて世界規模で取り組むべき重要な問題について学び、関心や知識を深め、自ら行動に移すことができる力を育んでいく独自の探究です。
1年生では興味・関心があるテーマの初期研究成果をまとめ、2年生では国内外のフィールドワークや留学を通じて実践研究を重ね、3年生では研究の集大成として論文発表を行います。
今回は、3年生を中心に、1年生と合同で参加した「JICA協力隊まつり2025」の様子をご紹介します!

今回、グローバル高校の生徒たちは、留学や、バングラデシュ・カンボジアでのSDGs研修*の経験をもとにプレゼンテーションを実施し、そしてアイロンビーズを使った国旗作りのワークショップを実施しました。

生徒たちは、SDGs海外研修やを終えて各国で得た、新しい経験や価値観などを語ります。
ニュージーランドの教育の魅力や、発展途上国の「いま」。
高校生ならではの視点で語られる実体験や思いの数々からは、一人ひとりの確かな成長が感じられる場となりました。

ワークショップは、アイロンビーズを使った国旗作りを実施。
参加者が作った作品をその場でキーホルダーにしてお渡しし、生徒たちは説明やお手伝いしながらサポートしました。

またバングラデシュ・カンボジアへの寄付も募り、国際協力に取り組んだ1日となった「JICA協力隊まつり」。
国際協力の最前線に触れ、自らの学びを発信した今回の出展は、生徒たちにとって大きな自信となり、これからの探究活動や将来の進路選択にもつながる貴重な機会となりました。

*「JICA協力隊まつり」とは(公式ホームページより)
JICA海外協力隊を広く一般の方々に身近に感じ、さらに国際協力に興味を持ってもらうことを目的として、「協力隊まつり」をリアル・オンライン開催します。
ボランティア経験者の協力隊活動報告、赴任国に関するお話、帰国後の進路話、協力隊応募相談、協力隊経験者と話そう等のセミナー、ワークショップ、動画、歌、音楽等をZoomミーティングで行います。
参加することで、JICA海外協力隊を身近に感じてもらい、若い人々や一般の方々へ向けて楽しさや面白さを通じて国際協力の魅力をお伝えします。

*SDGs海外研修とは
郁文館夢学園が運営する4校(郁文館中学校、郁文館高校、郁文館グローバル高校、ID学園高校)では、毎年SDGs研修と題し、カンボジアとバングラデシュの2か国で希望制による合同海外研修を実施しています。
現地の小学校や市場を訪問するほか、中学校や孤児院を訪問します。さらには、孤児院に通う子どもたちが過去に暮らしていた家や、孤児院卒業後も努力を続けながら大学へ進学した若者の自宅にも訪れます。

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郁文館では、「夢合宿」という名の5泊〜10泊11日(学年・クラスにより異なる)の集中合宿を、毎夏実施しています。

日常の環境から離れて、長野県東御市の標高約1,100メートル地点の大自然の中にある「鴻夢館」という郁文館専用の研修施設で過ごします。
今回は、郁文館中学校の入学式後すぐに実施した中学1年生の夢合宿に密着。その中でも、新入生にとっては初めてとなる理事長講座*について紹介します。
*理事長講座とは:毎年各学年で実施される渡邉理事長自ら生徒たちに講義を行う講座。

今回のテーマは「夢の叶え方」。
入学式を終えたばかりでドキドキ、わくわくした様子の生徒たちに、「好き・得意なことからどのように夢を見つけるか」「夢に向かってどのような心構えを持つべきか」について理事長が心を込めて話をしました。

はじめに、鴻夢館では「生活習慣」「自然からの学び」「仲間と24時間過ごす」という3項目を意識して生活するようにとお話がありました。
時間を意識して行動すること、整理整頓など自分のことは自分でやること、これまでやってもらっていたことを自分でやることの必要性を学びました。
次に、夢を持つ生徒が自分の夢をみんなの前で発表しました。発表する生徒はもちろん、発表を聞く生徒たちも真剣なまなざしで友だちの発表する姿を見守っていました。

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理事長講義の後半では、新しい夢の方程式についての話がありました。
夢を叶えるうえで「前提」となる、人としての生き方・考え方について、理事長が一つひとつ丁寧に生徒に伝えました。
さらに、好き・得意なことから夢に日付を入れ、そこから「逆算」して考えていくことの大切さを話すと、生徒たちは頷きながらメモを取る様子も。
また、「運」の重要性についても触れ、運を味方にするためには周りの人から応援される人になることが必要で、そのために郁文館の行動指針である「七つの約束」を守ることが大切だと生徒に伝えました。

講座の最後の質疑応答では、生徒からはたくさんの手が挙がり多くの質問があり、最後まで深い学びを得ることができました。
これから始まる夢教育に、教職員一同、全力で夢を叶えるために生徒をサポートしていきます。

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郁文館中学校・郁文館高校には、未来の日本、そして世界を牽引する「世界人財」を育成するために、渡邉美樹校長が直接統括担任として指導を行う『iP class【東大専科】』というクラスがあります。
このクラスでは、起業家・上場企業経営者・政治家・社会貢献活動家など様々な経験を積んだ渡邉校長自らが教鞭をとり、“今”から“未来”を読み解く思考力を育む教材として『日経新聞』と、世界人財に必要な人格や普遍的な人間の価値観を学ぶための『論語』を使用。
生徒たちは、根本的・多面的・長期的に物事を捉える力を養っています。

4月に入学したばかりの郁文館中学校1年生に向けて行った2025年度初回のホームルームでは、その日の日経新聞と2つの論語の章句から深い学びが展開されました。
まず、当日の日経新聞の経済記事を使った講義では、「国産自動車メーカー、最終赤字7500億円」という記事をもとに、「減損」や「減価償却」といった専門用語を具体例を交えて学びました。
「1億円で建てた工場が赤字経営に陥った場合、通常20年で分割して計上する減価償却ではなく、損失を一括で処理(減損)する」というグローバル会計基準に生徒たちは驚きの表情を見せながらも熱心に学んでいました。
また、政治経済の話題として「減税」や「関税」をめぐる国会の議論、さらには日経新聞コラム「大機小機」の読み解きなども紹介され、視野を広げる時間となりました。
続いては、論語の章句を使った講義。
葉公、孔子に語りて曰く、吾が党に直躬なる者有り。其の父、羊を攘む。面して子、之を証せり。
孔子曰く、吾が党の直き者は、是に異なり。父は子の為に隠し、子は父の為に隠す。直きこと其の中に在り。
子が父の罪を告発することを「正直」とした葉公に対し、孔子は、「それは人間としては本当に正直なことですか。本当の正直と、心の正直は違うでしょう。父は子のために隠し、子は父のために隠す。それこそが人間なのではないですか。人間というものを大事にしなさい」と説きました。
「人としての愛情や葛藤を持つことは自然なことであり、それを理解する力が本当の“正直さ”である」と渡邉校長は解説。
生徒からは「それでも悪いことは悪いと伝えるべきでは?」という意見も上がり、「その葛藤を抱くことこそが人間。人間は、とても複雑なもの。それをちゃんと論語を通して理解してほしいと思う。」と生徒たちに伝える場面がありました。

子曰く、後生畏るべし。焉んぞ来者の今に如かざるを知らんや。
四十・五十にして聞ゆること無くんば、是れ亦畏るるに足らざるのみ。
この章句では、「若者は無限の可能性を秘めており、年長者を超える力を持っている。しかし、40〜50歳になっても世に認められないようでは、それは努力不足だ」と孔子は語ります。
渡邉校長は「若いうちは大いに夢を持ち、自分を磨くべき時期。努力を重ねて、“あの人はすごい”と周囲から評価される専門性を身につけてほしい」と力強く話し、生徒たちも真剣な表情で聞き入っていました。
このように、iP classのホームルームでは、人間としての在り方から時事・経済に至るまで、幅広い分野での学びが展開されています。
論語と新聞という2つの教材を通じて、自らの可能性を広げ、“世界人財”としての素養を育む6年間が始まりました。
真剣に目を輝かせて、純粋な眼差しで授業を受ける生徒たちの今後の成長が楽しみです。

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4月中旬、アメリカ・ロサンゼルスのTAFT CHARTER HIGH SCHOOLの高校生が郁文館グローバル高校を訪れ、グローバル高校の新1年生と国際交流を行いました。
入学式を終えたばかりの1年生たちが、短い期間でありながらも準備を進め、無事大成功となった交流会の様子をお伝えします!

最初に行われたオープニングセレモニーでは、郁文生がAll Englishでウェルカムスピーチを披露。浴衣を着て現れた郁文生の姿に、アメリカの学生たちからは歓声が起こりました。

セレモニーでは、まずグローバル高校を知ってもらうために、グローバル高校独自の取り組みである「SDGsに関わる社会課題を題材に英語でディスカッションを行う“NIE”」や「毎年体育祭で披露するニュージーランド伝統舞踊 “ハカ” 」などについて説明しました。
その後、日本の伝統的な食べ物や剣道・柔道などのスポーツについても紹介。郁文生からアメリカの学生にクイズ形式で問いかける場面もあり、和やかな雰囲気の中で交流会がスタートしました。

セレモニーのあとは、生徒たちが案内し教室へ。生徒企画の体験型イベントです。
「ちゃんばら」「味噌汁」「福笑い」「折り紙」「めんこ」などたくさんの日本の伝統を体験できるコーナーをつくり、アメリカの学生たちをおもてなししました。
福笑いでは、目隠しを取って出来あがった顔を確認すると笑いが起きるなど、初めて触れる日本の伝統の数々に、興味津々で取り組むアメリカの学生たち。生徒たちは英語で説明やアドバイスを行いました。

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大盛り上がりの各ブースでは、ゲームに参加するだけでなく、互いの文化の違いを話したり、流行について教えあうなど、すぐに打ち解けることができました。
「写真を撮ろう!」と声をかけあい、自撮りをする姿も。最後に集合写真を撮影した後にも、今日の感想を伝えあう姿が見られました。

今回、同世代との国際交流を通じて、異文化理解を深めた生徒たち。
今後もこのような機会を大切にしながら、グローバルに活躍できる力を育んでいきます。

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5月1日と9日の2日間にわたり、郁文館三大イベントのひとつ「体育祭」を中学校、高校・グローバル高校でそれぞれ実施しました。
予定通りの開催となった中学校に対し、高校・グローバル高校は雨天延期を経ての実施となりましたが、両日ともグラウンドには生徒たちの笑顔と歓声があふれました。
郁文館の体育祭は、競技に参加する選手はもちろんのこと、応援する生徒、企画 / 撮影担当の TEAM DRAW DREAMS(放送部)、運営する体育祭実行委員のメンバーまで、生徒一人ひとりが主人公です。
学年を越えて4つの団に分かれ、今年も『一生懸命はカッコいい!』のスローガンのもと、各団が心をひとつに臨みました。

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中学の部では、午前の騎馬戦や網引きから始まり、学年別対抗リレーや郁文ジャンボボール転がしなど多彩な競技が展開されました。
午後には玉入れ、ブロック対抗リレーと盛りだくさんの内容があり、特に郁文館中学校体育祭の名物「ソーラン節」では、力強い動きに会場が熱気に包まれました。
チアリーディング部やダンス部の華やかな演技も加わり、全体が一体感に包まれました。

2

高校・グローバル高校の部では、力強い網引きや3年生による男子棒倒しなど、迫力のある種目が続きます。
特に毎年恒例の、グローバル高校の生徒たちが披露するニュージーランドの伝統の舞「ハカ」は会場全体が大盛り上がり。裸足で力強く踊る姿に、見ていた生徒たちや保護者も引き込まれていました。
応援団演舞では、各団の団長率いる応援団が仲間たちを鼓舞。生徒の熱量と表現力が観客を魅了し、午後に行われた郁文嵐、玉入れ、女子棒引きなどではさらに力強い応援の声が飛び交いました。そしてブロック対抗リレーで会場の盛り上がりは最高潮に。
どの場面でも最後まで諦めず、生徒一人ひとりが一生懸命に取り組みました。

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閉会式では、理事長から「とてもいい体育祭でした。“一生懸命はカッコいい!”、まさに一人ひとりが一生懸命でした。
競技も、応援も一生懸命でした。ぜひみんな、“自分は一人しかいない、そして人生はいつ終わるかわからない、人生はたった1回しかない ”そんなことを覚悟しながら必死になってこれから夢に向かって、努力してもらいたいと思います。」との言葉が贈られました。
そして、各団長あいさつがあり、涙をこらえながらこの体育祭に込めた思いと、関わるすべての人に感謝する姿がありました。
泣きながらも力強く話す団長の姿に「がんばれー!」という声が自然と上がり、話を聞きながら、感極まって涙を流す生徒も。互いに拍手を送り合い、団を越えて肩を組み、校歌を斉唱する姿には、全力で駆け抜けた日々の証が刻まれていました。

体育祭を通して学んだ“一生懸命に取り組むことの大切さ”を胸に、それぞれが夢に向かってまた一歩踏み出していきます。
教職員一同、これからも生徒たちの挑戦を応援していきます。

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▶郁文館のクラブ活動ページはこちら

郁文館では、東証プライム企業の経営者でもある本校の渡邉理事長を専属メンターとし、高校生起業家の輩出を目指す「起業塾」という特別講義を展開しています。
起業塾には、時代を先導する現役の企業経営者に直接講義を行っていただくプログラムがあります。今回はその一環として、養鶏業を営む「こっこ株式会社」代表取締役の末永 光佳(すえなが・みつよし)さんを山口県からお招きし、特別講義を実施しました。
末永社長は、税理士事務所勤務を経て家業である養鶏業を4代目として継承。
人口1万人あたりのやきとり店舗数が日本トップクラスを誇る「やきとりのまち」山口県長門市にある「こっこ株式会社」は、「こっこの事業を通じて、お客様の幸せを想像し、豊かな社会づくりを行う。」を経営理念とし、地域の主要産業である養鶏業を引き継ぎ、ブロイラー( 短期間で出荷できる肉用の若鶏)の生産に取り組み、持続可能な地域の養鶏産業の実現を目指しています。

講義の中では、経営者として困難に直面したお話もありました。
台風被害による出荷損失、設備投資による一時的な資金繰りの悪化。そのどれもが経営にとって大きなリスクであり、判断を誤れば会社の存続すら危うくなる場面もあったといいます。
「安定して事業ができたらいいな」と思っていた時期もあったが、「事業に安定は絶対ない」と話す末永社長は「ピンチこそチャンス」と捉え、地域の飲食店とコラボレーションしたお歳暮セットの商品開発、オンライン販売といった新たな事業を展開し、さらなる挑戦を続けていきたいと話しました。地域事業者が巨大な冷凍庫や加工工場などを1から作ることは厳しいが、“いま、あるものを生かす”挑戦は大切という話を、生徒たちは真剣にメモを取っていました。

人が持つ可能性を信じ、幸せを想像し、明るい未来社会づくりに貢献するべく、「短所を無理に一人で補わせず、それぞれの長所を伸ばす」「人それぞれの成長のスピードに合わせて任せる」という末永社長の経営スタイルは、社員一人ひとりの個性や力を尊重したもの。短所はほかの人がフォローして仕事を進めれば、働きやすい環境を提供できると話す末永社長は、経営者と社員の信頼関係が企業の成長を支える大きな原動力になっていることを実感する内容でした。
また、自身の育児経験をきっかけに、農業では実現が難しいとされていた育休制度や週休二日制といった労働環境を整えたエピソードも紹介され、経営者の視点と生活者の視点、両方から会社づくりを考える重要性について生徒たちは理解を深めました。

貴重なお話の後、「当時の経営問題点として他社との差別化ができていなかったとのことですが、現在はどんな差別化を図っていますか?」「起業して最もよかったと感じた瞬間はいつですか?」などたくさんの質問が寄せられ、末永社長は実体験を交えながら丁寧に答えてくれました。
講義後、生徒たちから「経営の厳しさと面白さが伝わってきた」「地域密着型の強みを感じられた」「挑戦を続ける姿勢に感銘を受けた」といった声が寄せられ、起業について、より理解を深めた貴重な機会となった今回の起業塾。
生徒たちはこの学びを生かし、今後も夢の実現に向けて努力を重ねていくことを願います。

■末永 光佳(すえなが・みつよし)氏
・こっこ株式会社 代表取締役

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郁文館夢学園が運営する4校(郁文館中学校、郁文館高校、郁文館グローバル高校、ID学園高校)では、毎年SDGs研修と題し、カンボジアとバングラデシュの2か国で希望制による合同海外研修を実施しています。
今回は、春休み期間の6日間、生徒56名が参加したカンボジア研修の様子をお届けします。
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SDGs海外研修では、現地の小学校や市場を訪問するほか、渡邉理事長が運営する公益財団法人「School Aid Japan(SAJ)」が設立した中学校や孤児院を訪問します。さらには、孤児院に通う子どもたちが過去に暮らしていた家や、孤児院卒業後も努力を続けながら大学へ進学した若者の自宅にも訪れます。

カンボジアをはじめ開発途上国では、戦争や紛争、貧困などを理由に教育の機会を奪われる子どもたちがいます。
郁文館で行っているような人間力向上のための教育機会と環境を、1人でも多くの子どもたちへ提供したいという思いで運営しているSchool Aid Japanは、⼦どもにかかわる教育⽀援プロジェクトを行う法人です。24年間で370校を建設し、1人でも多くの子どもたちに、給食支援や孤児院の運営など、開発途上国の教育環境改善に取り組んでいます。郁文館におけるSDGs教育の原点でもあります。

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今回、生徒たちが最初に向かったのは、ポル・ポト政権時代の悲劇を伝えるトゥールスレン博物館。ひとつひとつの展示と向き合いながら、戦争の悲惨さと平和の尊さについて深く学ぶ時間となりました。見学を終えた生徒たちからは、「目を背けてはいけないと感じた」「帰国後もさらに学びたい」と、強い関心と意欲が伺えました。

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その後は、現地の小・中学校や、水上村、SAJが運営する孤児院「夢を追う子どもたちの家」などを訪問。各所で現地の子どもたちと交流を重ねました。
孤児院では、一緒に焼きそばを作ったり、スポーツや伝統舞踊を通じて触れ合う時間も。言葉や文化の壁を超えた交流の場となりました。また、現地スタッフからは、貧困や家庭崩壊の背景にある現実についても話がありました。幼くして両親を失い、妹とともにわずかな収入で生活する子。虐待を逃れ、孤児院にたどり着いた子。明るい笑顔の裏にある厳しい現実を知ることで、生徒たちは支援の在り方について深く考える機会となりました。

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最終日には、アンコールワットの日の出を鑑賞し、アンコール遺跡群を見学。
歴史的建造物の壮大さに触れると同時に、困難を乗り越えながら前向きに生きる人々の姿に強く心を動かされたようでした。
「支援する側になりたい」「日本にいながらできる支援方法を考えたい」。帰国後の行動を自ら語る生徒の姿も見られ、今回の研修が彼らの視野を広げる貴重な学びとなったことが伺えます。

カンボジア5

教科書だけでは知り得ない「世界のいま」に触れた6日間。これからの生徒たちが、どのようにこの経験を自身の行動へつなげていくのか、引き続き見守っていきます。

カンボジア6

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世界基準の進路指導を行うグローバル高校と、グローバルな舞台でリーダーシップを発揮できる国際人を育てる郁文館中学校グローバルリーダー(GL)特進クラスは春休みも積極的に活動しています。
今回は春休みに行われた「グローバル高校2年生と海外大学をはじめ進路が決まった3年生による進路座談会」、そして「中学校GL特進クラス3年生とグローバル高校2・3年生の交流会」の様子をご紹介します!

グローバル高校3年生による進路座談会

「世界地図から進路を選ぶ」を合言葉に、海外大学現役合格率125%超えを誇るグローバル高校。(4月19日時点)
国内だけにとどまらず、トロント大学、メルボルン大学、カリフォルニア大学群をはじめとする海外の難関大学に合格した生徒が数多くいます。次年度、海外大と国内大のグローバル併願で大学進学を目指す2年生の生徒たちにとって、合格発表直後の先輩からリアルな話を聞ける貴重な機会となりました。
実際の勉強方法だけでなく、1年間の学習スケジュールや海外大学に興味を持ったきっかけなど、2年生が“今”気になっていることを積極的に質問していました。

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「思ったようにスコアなどが伸びないタイミングでの気持ちの切り替え方は?」「実際の面接で聞かれたことは?」などの質問も飛び交い、3年生は実体験をもとに、質問に答えました。
反対に、3年生から2年生に「いまのIELTS/SATスコアは?」「目標としている大学は?」と質問し、直接アドバイスを受ける姿も。
リアルな情報や新たな気付きを得た2年生は、進学先の選択肢について具体的なイメージを持ち、目を輝かせていました。
海外大学入試は6月頃までまだまだ続きます。引き続き郁文館教職員一同は、夢に向かう生徒たちを応援します!

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“中学校GL特進クラス”דグローバル高校”交流会

グローバル高校に進学予定の、郁文館中学校のGL特進クラスの生徒と、グローバル高校3年生が英語で交流会を行いました。
GL特進クラスは、3年生で行う1人1校6週間ニュージーランド留学を1つのゴールとし、自らが世界に目を向け活躍する人材になるべく、英語力・グローバル力の向上に日々励むクラスです。またネイティブ教員によるホームルームや、生徒自身が決めた社会テーマについて英語でディスカッションを行う「NIE」の実施など日常的に英語に触れる機会を設け、英語力の向上を目指します。
今回の交流会では、GL特進クラスの生徒が1人あたり5分間、自身の個人研究テーマに関するプレゼンテーションを英語で発表し、グローバル高校3年生が英語でフィードバックしました。

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最初は緊張していた生徒も、先輩たちからアドバイスや感想をもらい、最後は笑顔で発表を終えていました。発表後、自らネイティブ教員や先輩に話しかけ、個別にアドバイスを受ける姿も見られ、それぞれの成長を感じられました。

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英語を用いた交流を通じて、積極性やプレゼンテーション力を高めることができました。
今後もこのような機会を大切にしながら、6ヵ年教育でグローバルに活躍できる力を育んでいきます。

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郁文館では、東証プライム企業の経営者でもある本校の渡邉理事長を専属メンターとし、高校生起業家の輩出を目指す「起業塾」という特別講義を展開しています。
起業塾には、時代を先導する現役の企業経営者に直接講義を行っていただくプログラムがあります。今回はその一環として、重度訪問介護・居宅介護事業や資格講習事業など、6つの事業を行う「株式会社障碍社」代表取締役 安藤 信哉さんに講義を行っていただきましたので、その様子をご紹介します。

起業のきっかけ 「逆境こそチャンス」

安藤さんは高校生の頃から社長になりたいという思いはあったものの、今振り返るとそのための努力はできていなかったと話します。
そして、自身が18歳のときの交通事故をきっかけに、さまざまな気づきを得て起業へと歩みを進めました。「逆境こそチャンス」と捉えた安藤さんは、「障がいがあっても自由に暮らしたい」「障がい当事者の地域生活を支えているヘルパーさんの社会的地位を向上させたい」「重度障がい者の方の就労機会を作りたい」という思いのもと、起業を決意したと話します。

どんな人でも最大限活躍してもらうために「自分自身でサイクルを回す」

株式会社障碍社では、好循環を生むピアサポートサイクル(当事者同士の支援)を生み出し、「障がい者は擁護の対象(客体)ではなく、ユーザー(利用者)が制度の主体」という特徴があります。
そのなかで安藤社長は「どんな人にとっても『本人の主体性』が大切」だと話します。
「自分のことは自分で決める」—— これは当たり前のようで、実は最も大切なこと。福祉においても、支援を受ける側が受け身になるのではなく、 ユーザー自身がヘルパー(介護士)のシフトを調整し、生活のサイクルを自ら管理する仕組みを作りました。
この新しい仕組みにより、 自分で選び、決定し、実行することが自己肯定感の向上につながると話します。福祉とは、決して「至れり尽くせりの支援」ではなく、主体性を持って関わることでより良いものになるのだと、生徒たちに伝えました。

人生で大切なこと

最後に、安藤さんがこれまでの人生で学んだ「人として大切なこと」を生徒たちにシェアしてくれました。
安藤さん自身、事故後、多くの人が「がんばれ」「きっとよくなるよ」と声をかけてくれたものの、時間が経つにつれて疎遠になったと振り返ります。そんな中でも変わらず寄り添い続けた人こそ、本当の仲間だったと話し、「SNSのフォロワー数を数えるのではなく、心から信頼できる仲間を大切にしてほしい」と生徒たちにメッセージを送りました。

講義を聞いた生徒からは、次のような感想が寄せられました。
「自分がいかに狭い視野で生きていたのかわかった。今日の話を聞いて視野が広がった」
「世の中全体の考えを変える必要があると感じた。今日の気づきを、世界を変える第一歩にしたい」
「友達の多い人をうらやましく思うことがあったけど、今そばにいてくれる友人を大切にしたいと思えた」

学生時代の「起業したい」という夢をかなえ、さらに「障がい者福祉総合企業」への夢を話してくれた安藤さん。現状に満足せず、更なる夢を語る姿に生徒たちは刺激を受け、夢の実現へ向けて決意を新たにしていました。
今後も「起業塾」の様子を特集していきますので、ぜひ楽しみにしていてください!

■安藤 信哉(あんどう しんや)氏
・株式会社障碍社 代表取締役

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