中学・高校美術部の生徒38名が、山梨県八ヶ岳清里高原で二泊三日の合宿を行いました。目的は、油絵具で風景画を制作するためです。
 初日の正午過ぎに宿舎へ到着し、すぐに制作を開始しました。初めに参加者全員で、自然豊かな宿舎の周辺を探索しました。広大な野原とそれを囲むように連なる山々を、五感を使ってじっくりと観察し、絵になりそうなポイントを探しました。「坂道に差し込まれた木漏れ日」や、「広々とした青空と緑のコントラスト」など心惹かれた空間や風景を選び、その後白いキャンバスに木炭で下描きを始めました。
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短時間で下描きを終えた後は、近景の草、中景の建物や木々、遠景の山々や空など遠近法を意識しながら油絵具を乗せていきます。天気や時間によって刻々と光も色も変わる風景画は、自分がいいなと思った瞬間の形や色を目に焼き付けておく必要があります。常に感覚を研ぎ澄ましながら、完成に向けて描き込んでいきます。高原とはいえ汗ばむ陽気の中、生徒たちは二泊三日の中で集中して油絵制作に取り組み、頑張って作品を完成させました。屋外で風景画を描いているので、地元の方々に温かいお声がけをいただくなど交流もあったそうです。最終日は完成した作品を生徒全員で鑑賞し、顧問から講評を受けました。そして、帰路につき学校で解散し、合宿は無事に終了しました。
実質1日半の制作時間で一枚の油絵作品を完成させることは、簡単ではありません。描き終えるためには計画性とスピード、描き込む箇所を取捨選択する判断力が必要になって来ます。この合宿で経験した、長時間描き続けられたことや限られた時間で描き切ったことは生徒の自信になったと思います。今年の合宿は、油絵を初めて描く生徒が多かったのですが、1枚目の作品だとは思えないほどのびのびと描いており、魅力的な一枚に仕上がりました。
 9月に行われるときわ祭では、合宿で描いた風景画を展示いたします。生徒の感覚を通して描き出された清里高原の雄大な自然、空気を絵から感じて頂けたら幸いです。
 ぜひ、生徒の力作をときわ祭でご高覧下さい。

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