本校は寮のある学校です。

近隣の生徒も入学して1年間は寮で団体生活を行ない、
社会性と生活力、友との絆を育みます。

12日には第93回入学式が行なわれました。
保護者の方々にとってはお子様の晴れ舞台であると同時に、
お子様を送り出すという意味では一時のわかれのときでもあります。

入学式を終えての父母会(保護者会)主催による保護者歓迎会でも、
不安や寂しさといった赤裸々な思いを吐露される保護者の方が多くいらっしゃいました。

しかし、在校生父母の方々からのお話は、そのような方々をとても安心させるものであったようです。
「10数年前に年の離れた兄を入学させたときの不安を思い出した。
でも兄がすでに卒業してから弟を入学させたときには、

兄の同級生のご家庭に『もう一度体験できるなんていいわね!』とうらやましがられた。」
「息子は友だち関係で苦労してきた。でもその苦労を見守ってもらえて、今、彼がとても大切な学びをしていると感じられる。」
「今年で息子は高等科3年生、もうこの学校に関わるのがあと1年かと思うと寂しいものがある。」

父母会内での交わりのなかで先ぱいの父母の方に支えられたというお話も勇気づけられるものでした。

そしていよいよ入寮式。
室長に連れられて並んで入場してきたお子さんを見てあるお母様は、
「数時間見ないあいだにこんなに男らしい表情になるなんて」
と感じたそうです。
確かに、さっそく様々なことを先ぱいから教えてもらい、同級生ともなじみ始めた新入生は、
少し大人びて見えました。

 

生徒寮長による氏名点呼、そして
「生徒は入寮すると親に感謝することを感じるようになる。僕たちを信じてお預けください。」
との力強い言葉に、温かい拍手が沸き起こりました。

ある新入生のお母様は万感の思いを込めて、
「12年間しか育ててきていないが誇りの息子。この学校で苦労するかもしれないが楽しみにしている。
先ぱい方にはびしびし鍛えていただきたい。」
と在校生に向けて語ってくださりました。

覚悟を持って送り出すご両親の思いを受け、
新入生をお預かりする在校生の表情もより引き締まったように感じました。

「人は関わり合いのなかで成長する。」
私たちはこのことを固く信じています。

中高生徒だけの自治生活を営む唯一無二の教育施設「東天寮」
そのなかでは、上級生も新入生もともに刺激を受けあってたゆまぬ成長を続けています。

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