学期末の水曜日、19時過ぎになっても2階の小教室は煌々と明るく、なにやら笑い声が聞こえてきました。
ここでは中3から高3までの生徒有志(約15名)が集まって、「ピアサポート」プログラムが行なわれています。
このプログラムのなかで生徒たちは、社会人になって研修で学ぶようなコミュニケーションスキルを習得し、
クラス(学年)の仲間あるいは上下級生や教員と関わってその関係をよくする力、
そしてそのことによってクラス(学年)や学校全体をより活き活きとした環境に変えていく力を身につけていきます。生徒たちの「自治活動」を支援するプログラムとしてすでに10年近く取り組んでおり、多くの卒業生が修了証を手にしています。
プログラムの進行は本校スクールソーシャルワーカーの米川和雄先生です。
先生は、大学で講師をされながら社会人を対象にしたスクールソーシャルワーカー養成・研修講座も精力的に開催されている、
スクールソーシャルワーカー養成のスペシャリストです。
(先生の活動についてはこちらから)
スクールソーシャルワークとは、子どもたちの問題解決を、人とのつながりや環境整備も含めてサポートしていくという社会作り、組織作りのノウハウを併せ持ったサポートシステムです。
その有効性が日本でも認められ、現在学校現場への導入が各地で進められています。
今回生徒たちが学ぶのはまさにソーシャルワーク(社会づくり)の第一歩、尊重しあえる関係性作りについてです。
先生の進行のもと、生徒たちはメンバー同士で対話のトレーニングを行いました。
最初はなにが始まるのかとけげんな表情を浮かべていた生徒も、少しずつ勝手が分かってくると普段の積極的な姿勢が首をもたげ、
あっという間に3時間が経ち、19時過ぎに終了するころには教室が熱気にあふれていました。
第1回目の感想では、
「同学年は1人だけで、上級生ばかりで心配したがみなが優しく関わってくれて嬉しかった。」(中3)
「たった3時間だがこうして講座を終えると、同じ空間を共有したメンバーのつながりを感じる。」(高2)
「楽しかった!いろんな人と話せて、自分の弱点だと気にしていたことが人から見ると長所」
「意外な人がきていてびっくりしたけど、普段話さない人と関われてとても楽しかった。もっと多くの人を巻き込みたい」(高3)
など、ポジティブな意見が多く挙げられました。
これらの経験を通じて、お互いがお互いを支えることのできる(「ピアサポート」)関係性を構築していきたいと考えています。
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