自由学園の昼食は、いつも温かく心のこもった食事を全校生徒が一堂に会していただきます。

その、長年続く独特なスタイルを、守り支えてくださっているのが、在校生の父母の方々です。
父母の方々は、近隣のご家庭を中心として、交代の当番制でお食事作りをしてくださっています。

毎年この時期は、お子さんの高等科修了により、長年当番に入られた方々が「卒業」していく時期でもあります。
先週のある日、最後の当番になったお父様が、生徒に向けて次のようなスピーチをしてくださいました。

「自分は料理などしたこともなかった。しかし当番に入ってみて、君たちの生活する姿を見たり話しを聴くことがとても新鮮で、
食事当番に来ることが本当に楽しみになった。
君たちに一番伝えたいことは、労働は『義務』ではない。『権利』である、ということ。
自分はこの経験を通じて、そのことを深く考えさせられた。」

温かいお食事でなく、とても大切なメッセージをいただいたように思いました。

本校の生徒は約7割が寮に入り、親元を離れて生活しています。
(寮での生活の様子はこちらから)
しかし、彼らの生活を支えてくださっているのは、まぎれもなく父母の力によるものです。
ご自身のお子さんのことだけでなく、生徒たちみんなの成長を我が事のように感じてくださる、
温かいもうひとつの家族の形がここにはあります。

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