自由学園では、自分達の生活を自分たちで治める「自治教育」を大切にしており、
生活の至るところに生徒が主体的に取り組む活動があります。
本日はその中から、「板木」について紹介いたします。
板木は、他の学校のチャイムに相当し、横75㎝縦55㎝厚さ15㎝のケヤキの木が使われています。
このケヤキの木は、学園の所持する学校林で育ったものです。

何年かに一度、長いあいだ叩かれてきた板木が割れることがあります。
板木を割ることを夢見て、男の子たちは毎日力いっぱい板木を叩きます。
上の写真の板木は6年前に生徒が叩いて割ったものです。
板木の使い方は、小さい小槌で板木をたたくというシンプルなもので、
叩くと「パンパン」と何とも言えない音が響きます。
また授業の始まりや終わりなど用途に合わせて叩くリズムが異なり、
生徒は板木のリズムを聞いて学校生活を送ります。
使い始めた当初の板木は、へこみもなく音も味気ないのですが、
今では中心部分に2㎝程のへこみができ、音が響くようになりました。
今日も高等科3年生のK君が、男子部に響き渡るよう元気よく板木を叩き、自治を実践しています。