26日、27日の2日間、本校では教職員を対象に、岐阜県立森林文化アカデミーの松井勅尚先生をお招きして、「木育」の基本について学ぶ機会を設けました。
本校の特色である「机づくり」をさらに充実したものにするために、教科の枠を超えて全教科の教員が参加しました。
松井先生にはこれまでも、新木工教室の建設、美術工芸教育発表会での木につながる学びの発表と、何度も学園に足を運んでいただき、貴重な示唆を提供していただいています。
研修の最初は、自己紹介のなかで「好きな木とその理由」を話すことでした。
これほど木に触れ、教育のなかでも扱っていながら、自分たちがあまりにも自覚や疑問を持たずに過ごしていることを、気づくことから始まりました。
松井先生の、
「歴史の大きな転換点となるであろうこの時代に、当たり前の生活にくさびを打ち込みたい。自由学園はそれが実現できる学校だと思う。その取組みの一つとして食育があり、また木育がある。単にものを作ることが学びではなく、その背景の自然や社会を知り、自身の生き方を学んでいくことが大切である。」
というお話は、自由学園の教育の目的である「社会をよくする使命感を持った人を育てる」ことにつながっていくものであり、教員一人ひとりにとっても考えさせられる言葉でした。
研修のなかでは木の椅子作りを行ないました。ここでも単に作るのではなく、まず受け取ってもらう人を想像して、思いを込めて作ることが大切、とのお話しを聞き、2人組で思いを共有してから作業を始めました。
道具の使い方、木材の性質など、本当に基本的なことを丁寧に指導していただき、
作業のなかにも常に発見がある内容でした。
2日目の最後には、完成した椅子を見せ合い、学びの気づきを共有しあいました。
教師の感想のなかには、
「よいものができるには理由がある。全員がよいものを作り上げて達成感を得ている状況を創るには、教育者の準備や指導力が肝要だということに気付かされた。」
「何も考えずに目に映っていた木材が、この研修を終えてまったく違うものに見えるようになった。視点を広げさせていただいた。」
などというものがあり、一人ひとりが爽やかな学びの実感を持って研修を終えることが出来ました。
これらの学びが、生徒達に還元されていくように、今後も考え続けていきたいと思っています。
このような機会を与えてくださった松井先生と森林文化アカデミーの皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
自由学園男子部では冬休み中も毎日学校見学、入試相談を受け付けております。
ぜひ一度、本校のキャンパスにお越しください。
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