地理部では8月4日から6日にかけて,2泊3日の夏合宿を行いました。地理部の合宿地
や巡検地は,日々の校内での活動で事前学習を行い,部員によるプレゼンテーションで調
査地域を決定しています。今回は部員の多くが「地理部なら万博で世界を学ぶべし」と声
を上げ,大阪・関西万博への来訪が実現しました。もちろん,いつもの通りの地域のフィ
ールドワークも欠かさず行いました。フィールドワークは3班に分かれて,大阪市と周辺
地域の地域性や歴史,文化について学びました。この合宿で調査した内容は,今年度発刊
予定の「ちりレポ第23号」に掲載する予定です。また9月27,28日に開催する文化祭でも
発表する予定です。
 今回の夏合宿のテーマは「大阪・関西万博で世界を学ぶ!!」です。

〔大阪・関西万博編〕
 万博とは,万国博覧会の略称で,現在の万博は1928年に締結された国際博覧会条約に基
づいて開催されています。世界で初めて開催された万博は,1851年に開催されたロンドン
万博で「世界中のヒトとモノが出会う場」として開かれました。これまで開催された万博
では,世界各国が自国の威信を示したり,当時の最新技術を披露したりすることが中心で
したが,現在の万博は「現代社会の要請に応えられる今日的なテーマ」を定めて開催する
ことが求められています。これまで日本では,1970年に大阪で初めての万国博覧会が行わ
れ,その後,1975年に海洋博(沖縄),1985年につくば科学万博(茨城),1990年に花博(大阪
),2005年に愛・地球博(愛知)が開催されてきました。今回の大阪・関西万博は国内で20年
ぶり6回目の開催で「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに,世界158の国と地域
および,国際機関,民間企業,国内の自治体が参加しています。地理部員たちは,世界の
国々や企業のパビリオンをまわり,その国の特徴や最新のテクノロジー,持続可能な開発
や循環型社会など地球規模での課題について存分に学びました。

各国のパビリオンには,その国の食文化を学べるレストランを併設している国も多く,
部員達は普段食べるとこができない海外の料理を楽しんでいました。中1のグループはイ
タリアパビリオンのレストランで,イタリア人の方々と仲良くなり,たくさん話をしまし
た!!と報告してくれました。

地理部が万博を来訪した8月5日はウクライナのナショナルデーでした。ウクライナの
大統領夫人と外務大臣が来日し,式典が開かれました。ウクライナのパビリオンは大変混
雑していて,世間の関心の高さがうかがえました。部員達の多くもウクライナのパビリオ
ンを見学していました。

〔大阪フィールドワーク編〕
 合宿初日と3日目は,3班に分かれて大阪市内と周辺地域のフィールドワークを行いま
した。まずは大阪のシンボル「大阪城」です。大阪城は,1583年,大坂本願寺の跡地に豊
臣秀吉によって築城されました。1615年の大坂夏の陣で豊臣氏が滅亡した後,徳川秀忠に
よって再建されましたが1868年に火災で焼失しました。現在の大阪城は1931年に再建され
た3代目になります。

もう一つのシンボルは「通天閣」です。通天閣は1900年に開催されたパリ万博を参考に
行われた内国勧業博覧会の跡地に,凱旋門の上にエッフェル塔を乗せたようなインパクト
のある塔を建設する構想のもと1912年に完成しました。しかし,第二次大戦下での鉄材の
供出で解体されてしまいます。現在の通天閣は1956年に再建された2代目で,その周辺に
は串カツ屋やうどん屋,射的などの遊技場が密集する観光地「新世界」が広がります。

そのほかにも,大阪都心部では2014年に完成した高さ300mの大阪の新しいランドマー
ク「あべのハルカス」や,ミナミの繁華街「道頓堀」を,歴史的な史跡では6世紀に聖徳
太子により建立された「四天王寺」や,2019年に世界文化遺産に登録された「百舌鳥・古
市古墳群」などを見学し,各部員が多角的な視点で大阪の地域性を学んでいました。

部員達は夏休み期間中,地図や図表の作成,レポートの執筆を行っています。昨年12月
のフィールドワークから今回の夏合宿までのレポートをまとめた「ちりレポ第23号」は9
月に開催される文化祭に合わせて発刊予定です。万博の雰囲気を味わいたい方は,文化祭
の地理部展示コーナーに是非お越し下さい!!

(地理部顧問)

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