6月27日に先週鑑賞した映画「メッセージ」(英語のタイトルはArrival)について英語でディスカッションをしました。
この映画は、主人公の言語学者ルイーズが地球にやってきたエイリアンと苦労しながらコミュニケーションをする中で、時空を超えた体験をして、自分の人生と向き合う物語です。印象に残ったシーンとして、エイリアンと主人公が初めて遭遇するシーン、ルイーズが未来に起こる悲劇を知った上ですべてを受け入れるラストシーン、中国の首相にルイーズが奥さんのダイイングメッセージを伝えたことによってエイリアンへの攻撃を中止したシーンなどが出されました。ルイーズが未来の夫イーアンに尋ねた質問、”If you could see your whole life from start to finish, would you change things?”に自分だったらどう答えるか話し合いました。
まだ16年しか生きていないからわからない、過去を変えたら現在の自分も変わるので難しい質問だ、若い頃は後悔がたくさんあったが歳を重ねると失敗から学びすべて受け入れて自分らしく生きることの大切さに気づいた、などの意見が出ました。イーアンは、”I would express my feelings more.” と答えます。これについては、自分の感情を押さえつけずに表現することは大切だ、感情を表現する仕方は国民性や文化を反映しているなどの意見が出されました。
エイリアンの言語は non linear(非線形)といって、過去・現在・未来・という区別がありません。ルイーズは、エイリアンと交信することによってこの概念を知り、Despite knowing the journey and where it leads, I embrace it and welcome every moment.”(人生という旅がどこに行き着くか知っていても、私はそれを受け入れて、すべての瞬間を歓迎する)という心境に到達したのでしょう。時間の流れがnon linearで、過去・現在・未来が円のように密接に結びついていたら、過去を悔いることも未来に不安を抱く必要もありません。SF映画でありながら、普遍的で哲学的なテーマを扱う深い作品でした。
(語学部顧問)