地理部では11月1日に2学期のフィールドワークを行いました。今回はこれまでのフィールドワークとはひと味違った手法で東京都心の都市景観と都市機能を調査、考察しました。その手法とは、東京メトロ銀座線に沿って「ひたすら歩く」という手法です。東京メトロ銀座線は1927年に上野駅と浅草駅の間で開業した日本初の地下鉄です。現在は渋谷駅から浅草駅までを結び、路線距離14.2kmの間に19の駅があります。東京都心の地下を東西に走り、都心部の主要な地域を結ぶためビジネス客のほか、観光客の利用も多い路線です。また銀座線は建設年代が古く、道路を開削して建設されたため、列車が走るルートと道路がきれいにトレースできます。そこで地理部では、銀座線に沿って歩き東京都心の景観の変化を観察することで、都市機能の違いを考察できると考えました。情報や流行の発信地「渋谷」、国会議事堂や官庁街に隣接する「赤坂・虎ノ門」、高級店が軒を連ねる商いの中心「銀座」、銀行や証券会社が集積する経済の中心「日本橋」、文化や伝統が色濃く残る「上野・浅草」とさまざまな景観と都市機能の変化を見ることができました。地理部らしい独特の視点と手法で東京都心の地理的特徴を理解できました。
朝9時、渋谷駅ハチ公前に集合です。この時間からすでに渋谷には多くの外国人観光客が訪れていてハチ公をバックに写真撮影をしていました。部員達は事前に準備した調査票や白地図を確認して、いざ浅草に向けて出発!!


溜池山王駅は駅名が示す通り「ため池」があった場所です。江戸期に河川を堰き止めて造られ、江戸城の外堀の役割も果たしました。表参道や青山から赤坂や溜池までは約30mの高低差があり、部員達は歩くことでその起伏の大きさを実感していました。また溜池山王駅周辺は日本の政治の中心で、国会議事堂や首相官邸、各省庁が立地しています。

虎ノ門駅近くの道端には「自然災害伝承碑」があります。これは、この地にあった大学校舎が関東大震災で被災したことを伝える碑です。レンガ造りの建物が地震の揺れで倒壊し、そのレンガを使用した伝承碑の説明を部員達は真剣に読んでいました。
銀座から日本橋を繋ぐ中央通りは、百貨店や専門店、ブランド品を扱う高級店や飲食店が並ぶ商業地域です。当日は日曜日だったため、中央通りは歩行者天国となり多くの人たちが買い物や散策を楽しんでいました。日本橋ではお祭りが開かれ、日本各地の特産品や伝統舞踊が披露され、活気に満ちあふれていました。
末広町駅は秋葉原に近く、周辺には電気製品やアニメなどのサブカルチャーに特化した店が集積します。渋谷や銀座周辺と同様、こちらも多くの外国人観光客が訪れていました。
上野駅近くには銀座線の車庫があります。地下の本線と地上の車庫を結ぶ線路の途中には日本で唯一の地下鉄の踏切があります。ずっと銀座線に沿って歩いてきましたが銀座線を見たのはこの日初めてです(笑)。
渋谷から約15km、6時間かけて浅草に着きました。浅草は浅草寺や仲見世通りなどが有名ですが、銀座線が走る浅草通り周辺には食器や調理用具を扱う店が並ぶかっぱ橋商店街や、仏壇や仏具を扱う店が並ぶ田原町など専門店の集積地域があります。このような地域特有の景観を観察しながら全員無事に完走しました!!
渋谷駅から浅草駅まで、銀座線で移動すると35分です。しかし、わざわざ歩くことによって普段は行かない地域を通ったり、地形の起伏を感じたり、新しい発見があったり、多くの地理的な発見がありました。部員達はこのフィールドワークで得たデータのまとめ作業を行っています。この報告は、次年度に発刊を予定している「ちりレポ第25号」で行う予定です。どうぞご期待下さい!!
(地理部顧問)

