化学部は1月5日に、千葉市にある千葉県立中央博物館の見学に行ってきました。今回は、昆虫に見られる「構造色」への理解を深めることが目的です。構造色とは、ミクロな構造により見える色のことで、本校のオープンキャンパスで体験できる「色が変わる液晶作り」で液晶に見える色も構造色の一種です。
博物館では最初に、社会性昆虫(ハチ)を専門とする学芸員の方にハチの生態や分類についてお話を伺い、展示室にあるスズメバチの巣についても詳しい解説をいただきました。小一時間ほどではありましたが、多くの生徒の心に残る時間になったようです。

展示室でも解説をいただきました
つぎに、研修室で構造色を持つ昆虫の標本を見せていただきました。コガネムシやモルフォチョウの鮮やかな色に驚きながら、じっくり観察することができました。

モルフォチョウの鮮やかな青色に釘付けです
その後、再び展示室に移動し、標本を観察しながら構造色を持つ昆虫を探しました。蝶や甲虫の仲間を中心に、様々な昆虫に構造色が見られました。生徒の事後アンケートからも、色の多様性に驚く声が聞かれました。

構造色は見つかったかな?
午後は隣接する「生態園」を見学しました。こちらは、房総半島に見られる代表的な植生を再現した植物園ですが、他の都市公園同様に、ヤシ科のシュロという植物が少しずつ増えてきています(一説にはヒートアイランド現象の影響ではないかと言われています)。そこで、シュロが生えていそうな場所を予想してから園内を巡り、シュロが多く見られる条件を考察しました。

中央の高木がシュロです。南国の雰囲気を感じます
思った以上に多くの個体が見つかり記録が大変でしたが、生徒は楽しんでいたようです。また、記録を付けていくうちに植生の傾向が浮かび上がってくるのが面白い、という感想も聞かれました。

研修室に戻って、記録を整理します
結果は当初の予想通りにはなりませんでしたが、冬場に明るくなる落葉樹林に大きな個体が見られることが分かりました。このフィールドワークを通じて、データの集め方や解釈の方法など、日頃の実験との共通点を感じることができたと思います。
今回の博物館見学も、非常に有意義なものになりました。三学期は、いよいよ学会発表に向けて忙しくなります。いい発表ができるように、これからも頑張っていきたいと思います。