「Explore Interests~見知らぬ世界へ、小さな旅をしよう」は、女子聖の先生と生徒が一緒に「特別なお出かけ」をするプログラムです。普段は目にしないものや、普段はお会いしないような方と出会うことで、新しい世界が広がることでしょう!



秋休みの良く晴れた日に、生徒5名と教師2名で品川区にある明晴学園中学部を訪問しました。明晴学園は日本で唯一、手話を「第一言語」としており、「ろう者」のほうが「聴者」よりも圧倒的に多い学校です。

出迎えてくれたのは小野教頭先生。先生も「ろう者」です。手を洗って消毒してください、靴はこちらに・・・手話を使えない私たちのために、身振り手振りで示してくださいます。こちらは、ペコペコお辞儀をするので精一杯。

まず、小野先生から手話について教えていただきました。日本語の文法通りに手を動かす手話(日本語対応手話)と違い、日本手話(現在はこちらが主流)は上半身の使い方や顔の表情がとても大切であることなどを、筆談を交えてお話ししてくださいました。簡単な挨拶や「女子聖学院」の手話など、生徒達も一生懸命先生の真似をして覚えました。

この後、学園の生徒さん達の案内で5名の生徒は四つの班に分かれ、各教室へ。どの班も、自己紹介から始めたようです。会話は全て「筆談」。ホワイトボードやノートを使って、自己紹介をしたり質問をしあったりしています。好きなアニメやタレントが同じであることがわかると、筆談のスピードが上がります。あっという間に、ホワイトボードが「おしゃべり」でいっぱいになりました。

校内見学の時も学園の生徒さん達が筆談で案内してくださいました。明晴学園は幼稚部・小学部・中学部に加えてプレスクールの乳幼児クラスもあります。どのお部屋に行っても私たちの耳にはシーンとしていますが、よく見るとあちらこちらで手が盛んに動いています。本当は、とても「にぎやか」なのです。

I

その後、体育館に集まって「ジェスチャー伝言ゲーム」。出されたお題を、ジェスチャーで次の人に伝えます。学園の生徒さん達はもちろん手話禁止。女子聖の生徒達も必死にジェスチャーを伝えようとします。皆苦戦していましたが、とても楽しそうでした。

最後にもう一人の教頭、森田先生のお話を伺いました。森田先生はEテレ「みんなの手話」の講師としてもご活躍です。日本語、英語、フランス語・・・と同じカテゴリーに手話があるということや、聴者が耳で聞くのと同じようにろう者は目で聞いているのだという熱いメッセージを語って(手話通訳付き)くださいました。

生徒から出た「ここは特別な世界ではなかった。方法は違うけれどみんな普通にしゃべって、普通に勉強している。私たちと同じなんだと思った」という感想には、森田先生も感心していらっしゃいました。参加した生徒一人一人がそれぞれに気づきを与えられた、有意義なひとときでした。

ページ
TOP